《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

少女漫画と小説の感想ブログです

悲劇のヒロインが弱気だなんて誰が言ったの。薔薇の女王は気高く、そしてワガママなのよッ!

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末次由紀(すえつぐゆき)
エデンの花(えでんのはな)
第09巻評価:★★★(6点)
  総合評価:★★★(6点)
 

時緒(ときお)と紫(ゆかり)が婚約した!!
“みどりの秘密を握る紫を口止めするため”――そんな事情を知らず理由をきくみどりに、時緒は「紫が好きだから。」と答える。
動揺するみどりの胸に募る、時緒への消せない想い。だけど、もう伝えることはできなくて……。
心がすれちがい、痛みを抱えた2人の禁断の恋の行方は!?運命の愛の伝説、第9章。

簡潔完結感想文

  • 兄と その婚約者との同居生活。家の中が未来の義姉に染め直されるような感覚に必死に耐える。
  • 兄からの誕生日プレゼントは大画面テレビ、に映る自分の顔。テレビ中継もされる おまけ付き。
  • 告白。妹ではなく一人の女性として見て欲しかったが、兄は拒否。妹としても遠ざけられて…。

よりも大切な君だからプレゼントを贈るのさ、の 9巻。

いよいよ物語がクライマックスへの盛り上がりを見せていく。

恋愛面では『9巻』は大事なターニングポイント。
なにせ、みどり が兄妹という関係を越えようと、兄の時緒(ときお)に告白する巻である。

残念ながら、本書は最後の最後まで みどりを不幸にするためにあるので、結果は玉砕。
といっても それは表面上の言葉。
兄の時緒もまた妹を妹として見られなくなっていたのだから。

だが、今回も みどり を取り巻く事情から素直に返答できない状況が生まれる。
2人が幸せになることを周囲や状況がまた阻止する。

正直言って、何度目かの相手を思い遣るからこその嘘です。

立て続けに起こる、みどり の過去が呼び起こす事態はサスペンスフルで面白いが、
同じ手法が使われ続けることが飽きを読んでいる。

自分勝手に喚き散らして行動する みどり と、
みどり に隠しごとがあるから本音を話せない時緒という構図は、
ここ数巻に亘って描き続けられていることである。

『9巻』のラストで、いよいよ2人の間に秘密が無くなる予感がしたが、ここまで とても長かった。
決して退屈ではないが、2人の恋が切ないという感情も湧かなかった。

その原因の大半は みどり にあるんじゃないかと思わざるを得ない…。


初から分かっていたことですが、みどり には可愛げというものがない。

『9巻』は、アメリカで育ての おじさん から みどり の秘密をネタに脅され、
時緒が、おじさんの実子・紫(ゆかり)と婚約をしたことを知らされる場面から始まる。

紫は再び、みどり たち若月(わかつき)兄妹と同じ家に住むことになる。
時緒と紫との生活は新婚さんみたいだと思っていたら、後にまんまの台詞が出てきた。

同時に みどり をイビり倒す紫は、嫁と姑のような関係である。

ただし、この嫁はイビり甲斐がない。

姑には極力逆らわないようにするし、
精神的な嫌がらせにも、志の強さで反論してくる。

ここは過去のクラス内での経験が役に立っているのでしょうか。
嫌がらせに対しては みどり も強くなっているのかもしれませんね。

そしてイビリにも耐え、ただ時緒のことを想う みどり。
ただ人知れず涙を流す夜もあるけれど…。

そんな三角関係の頂点にいるのが時緒。

紫には対みどり用の演技はしてくれるけど、心は決してくれない時緒。
厄介な兄妹の態度に紫のストレスは溜まる一方だ。

そして紫と時緒は脅迫者と被害者の関係でもある。
自分が みどり の秘密を握っていることが時緒を操れる条件。

そういうこともあって、紫は みどり に秘密を暴露したりせず、
時緒の要望通りに、みどり の周辺の世話までしてくれている。
悪い人じゃないから。もしかしたら みどりよりも良い人かも…。


んな みどり の悪い面が見えたのは、学校での一場面。

もう彼氏ではなくなった羽柴が登場したシーンでの出来事。
羽柴くん、楽園から永久追放されたと思いましたが出番があって良かったですね。

これまで みどり の秘密の大部分を見聞きしてきた羽柴。
彼女が大事にしていたフォトフレームが紫に壊されたことも知っている。

なので学校内で膝を抱える みどり に新しい物を渡してあげる。

羽柴 曰く「この間 自由が丘で見つけた」らしい。

どんだけ探したんだか…。
男が、偶然見つけたから、と渡してくる物は本当は偶然じゃない説。

健気だねぇ。本当に真のヒロインは君だよ。
彼女の都合でフラれてもまだ、彼女のために平気そうにするなんて…。

一方で、みどり は人間関係がガサツと言うか、無神経と言うか。

落ち込んでいた気持ちは、物を渡されてどっかにいっているし、
羽柴に対する申し訳ない気持ちも自分の中でけりがついたからか湧いてないし。

なんだかんだで結局、みどり の自己中心的なところが見えてしまう。


んな みどり の感情の振り幅の大きさが顕著に表れるのが東京タワーでのシーン。
東京タワーは3回目ですかね。全部、時緒と一緒だ。

その日は、みどりの誕生日。
時緒は仕事の成果を見せることも兼ねて、妹に あるプレゼントをする。

1つ目が腕時計。

だが、これは みどり のお気には召さなかったご様子。
なぜなら、時緒のアメリカでの努力の結晶である借りている時計を返さないといけないから。

2人を結ぶ絆を勝手に解かれた気持ちなのだろう。
みどり の情緒は安定しない。

時緒が用意していた2つ目のプレゼント、
大画面映像での誕生日祝いが映る前の展開がちょっと変。

時計を貰う → 遠回しに時計の返却を求められた… → 誕生日なのに彼氏は? → 別れた
→ 時緒怒る → 羽柴くんは悪くない 

から1コマ後に、みどりの急な逆ギレが始まる。

借りていた時計を押し付けて「なによこんなの」
「ほんとはもう わたしのこと どうでもいいくせに」

ちょっと情緒が不安定すぎないか…。

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新しい時計を買ってまで貸していた時計を返して欲しかったのに、高価な方を死守しようとする強欲な妹(嘘)

サプライズ前の いざこざの演出と、その後との感情の落差を表すために、
みどりを怒らせたいんだろうけど、ちょっと変だ。

そして、自分の気に入るプレゼントだと怒っていたことなど忘れ、
即座に機嫌を直す現金な みどり なのだった。

そんな時に大画面の稼働を中継していた生放送のテレビクルーが みどり にインタビューを始める。
そこで みどり は全国放送で名を名乗ったことで、新たな事態が引き起こされる…。

そういえば、この大画面でのサプライズプレゼントの後半は、
時緒に対してのサプライズでもあるんですよね。
最年少ということもあり、仕事仲間から愛されてますね。

にしてもテレビを読んで稼働に失敗したら どうするつもりだったんでしょうか。

そして、この巨大画面。
商業主義の象徴みたいで好きになれない。

何よりも東京タワーからの景観の邪魔だ。
近くでピカピカ光る画面など、遠くを見たい人にとっては迷惑千万だ。


…が、そんなことは知らずに、プレゼントに感極まったみどりは時緒に好意を伝える。

時緒が羽柴との交際が終わった原因を聞いたからではあるものの、
って、数分前には逆ギレしてたのに…。
みどり はちょっと怖い。
この情緒不安定さも過去のトラウマから派生するものなんでしょうか。


そして独断で時緒に血が繋がっていないことまで話す始末。

この2つの告白に対して大きなリアクションのない時緒だったが、
みどりから距離を取ると時緒は赤面している…。

彼もまた兄という仮面を外す日が近いと思われた矢先、
随分前に若月家に届いていた地方検察からの手紙を時緒が手にする。

そこには時緒を震え上がらせる情報が。
仕事が忙しかったために見落としていたこと。
そして全国放送に妹の顔を出した…。


時緒はまた みどり に内緒で彼女の周辺の警戒レベルを上げる。

ある日、みどりがバスを降りると時緒の姿があった。
2人での徒歩での帰り道、
季節が変わり、身一つで前の家庭を飛び出してきたみどりには冬服がないことが判明する。

そこで冬服を大量購入。
デート? それとも「妹(まい)フェアレディ」?

だが、帰宅途中、時緒は「妹」であることを強調する。
「好きとか言われても困るんだ」

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過去の罪から君を守るためなら、俺は何度だって嘘を付くんだ。大事なのものは君のほかに ないから。

更にはみどりに寮のある高校を勧める。

これからは離れて暮らすこと、自分は紫とアメリカに帰ること、
みどりに言えない秘密があるとはいえ、またまた一方的に家族の形態を決める時緒。

もしかしたら冬服の購入は時緒にとって、したかったことの最後の達成かもしれない。


事情を知らないみどりからしてみれば、自分が告白したことで訪れた関係性の崩壊と思ってしまうだろう。

確かに危惧して臆病になったこともありましたが、現実になるとは。
だって、気持ちは通じていることを読者は知っているのだから。

だが、時緒の方も苦悩する。
「言えないことばっかりで 嘘ばっかりだ」。


気まずい雰囲気が流れる家の中で、話し合いをする兄妹。

時緒は血の繋がらないことを知っていた。
それでも努力をして、彼女を迎えられるまでの男になった。

一晩考え、みどりは時緒と暮らすための方策を考える。
気持ちを殺す、他の人を好きになる、だからそばにいさせて。
これは時緒の気持ちそのまんまですね。

同じ気持ちを持ちながら、幸せにはなれない2人。
ただ、時緒には嘘を付いてまで守りたい人がいる。それがみどり。

実際に時緒や みどり の周辺には怪しい影が見え隠れしているのだ…。


どりが転校予定の愛知県の高校の受験日、新幹線のホームで みどりは行かないと言い出す。

ひとりで暮らす。どんな手段や職業であっても。
何もなかったように「妹」でい続けることは出来ない。
それがお兄ちゃんへの最後の「わがまま」。


んーーー、みどりってどうして自分のことしか考えられないんですかね。

彼女の論理も痛いほど分かる。
兄妹の振りをして自分の気持ちを殺すことは、生き地獄だろう。

ただ、それは時緒が耐えてきたこと。
そして、これまでの時緒の努力を無駄にすること。

みどり は時緒の想いを全く考えていない。
若いからという弁護も出来るかもしれないが、
視野が狭すぎる。

与えられたものを簡単に手放してしまう傲慢さを感じる。

私が時緒の周辺にいる人物で、みどりの性格を知っているならば、
時緒のおじさんと同じく、彼女は止めておけ、と忠告したい。

ある意味、紫よりもワガママな女王様のご機嫌を取り続ける人生は疲れるぞ!

羽柴、部活はじめるってよ。もう物語には深く関わらないってよ…。

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末次由紀(すえつぐゆき)
エデンの花(えでんのはな)
第08巻評価:★★★(6点)
  総合評価:★★★(6点)
 

「時緒さんと恋をすることを考えたりしないの?」
由鷹の一言が、みどりの心を激しく震わす。”兄妹”という言葉で打ち消してきた時緒への想い。だが、その想いがみどりの中であふれだしたとき、3人の関係が揺らぎはじめる??。
愛しい人との和らいだ時間が、抗えない流れに飲み込まれていく。
運命の愛の伝説、激動の第8章。

簡潔完結感想文

  • 文化祭当日。彼氏と楽しく回るはずが、お兄ちゃんが現れ、なぜだか彼氏とお別れ…。
  • 三角関係から 羽柴 out の 紫 in。おれ、勉強と部活に忙しいんで、漫画には出ません。
  • 過去の真実。秘密を守るための婚約、そしてみどり の恋を一筋縄ではいかせぬ重い十字架。

つの星が輝きを失っても、別の星が輝きを放ち、恋の大三角が保たれる 8巻。

作品全体が主人公・みどり と 時緒を近づけさせない大きな装置となり始めている本書。

彼らが一直線に相手に向かわないように、障害物や偽りの標識を設置することで、
彼らをあらぬ方向に導き続けている。

この手法を良く換言すれば、ドラマチックなんだろうけれど、
悪い言い方をすれば、大時代的というか、大映チック・韓流チックと言うか、
とにかく主人公に悲劇を積み重ねるだけ重ねて、一番遠回りする方法を選ばせている気がしてくる。

この手の物語が好きな人は一定以上いるだろうが、
私は『8巻』で みどり に課せられた十字架が余りにも重すぎて辟易してしまった。

こんな原罪を抱えたまま みどり は幸せになれるのだろうか。
みどり を追い詰めすぎて自死させそうなほど重い内容に、読者の私が耐えられそうにない…。


『8巻』はこれまで準備してきた文化祭の当日の出来事。

それは恋人の羽柴(はしば)との文化祭デートが約束されることから始まったはずなのだが、
文化祭の後片付けまで、みどり の心は大きく揺れ動くことになる。

その原因となったのは、当の羽柴が原因。

これまでも自分の自信のなさから みどり の愛を試したり、疑ったりした羽柴だが、
文化祭の当日に学校に来訪した みどり の兄・時緒(ときお)の姿を見つけ、
羽柴は みどり に これまで押し込めていた疑問を投げかけてしまう。

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お兄ちゃんを一人の男として見ること。それは みどり にとって開けてはいけない玉手箱。

これ、まるで羽柴は みどり が時緒と交際することを望んでいるような発言ですね。

もちろんこれは、羽柴本人が言っている通り、
時緒との関係を、みどり が逃げずに考えた上で自分との交際を続けて欲しいという願いなんでしょうけど。
ずっと他の男の影に怯えながらの交際はストレスが溜まるだろう。

これは羽柴にとっては最後の大博打だろう。


人に指摘されるほど気持ちが傾いていたことを思い知らされる みどり。

ただ血が繋がっていないとはいえ約束された関係性が保証された兄妹とは違い、
男と女として存在する自分たちという考えは足元が覚束ない感覚がある。

だが、羽柴の代わりに文化祭が開催される学校を時緒とまわっていると、
徐々に気持ちが時緒に傾いていくことを実感する。

何か安定していた精神・関係性のバランスが壊れる予感がします。


こからが意外な展開。

文化祭の暗幕を片付けるため脚立に昇っていた羽柴が転倒。
その彼のもとに駆け寄る みどりは…。

いつもの小競り合いの末、羽柴との絆が戻るといういつものパターンかと思わせて…。

みどり は膝をついて頭を下げる。
兄との関係を断ち切れない、と紫に土下座して以来、2回目ですね。

いつも みどり は大事なことに気づくのが少し遅いのです。
気づいた時には大事だと思っていた人も傷つけている…。


そうして、みどりの中の躊躇と罪悪感を伴う兄への恋情が生まれ始めた。

が、みどりとの会話中、彼女を実の妹だと思い続けている時緒は、
兄としての役目を果たすと、今度は時緒の方が予防線を張ってくる。

もしかしたら一番大事な人ではなかった恋人と同時に、
一番大事な兄ではない人も失くす恐怖に襲われる みどり だった…。

一連の心理的葛藤は理解できるんです。
ただ3歩進んで2歩下がるというか、薄皮を一枚一枚丁寧にめくるというか、
遅々として進まない進行に苛立つことも確かなのだ。


緒のアメリカ出張を前に、帰国したら話したいことがあると告げる みどり。
どんな結果になろうとも、前へ進むと思われた関係だったが…。

そうしてアメリカで再会する時緒と紫(ゆかり)。

久々の登場の紫だが、初手から強烈な一言を発する。

「時緒には みどりちゃんに知られたくないことが たくさんあったのね」

みどりと血縁関係がないことを知らない時緒だが、
なにやら、みどりが知らないことを時雄は知っているらしい。

続いて再会した育ての親のおじさん(血縁はない)もまた、とんでもない一言を発する。

いわく、みどりは「親殺しの娘」。

あの両親が死亡した火事はみどりが原因⁉
どれだけ重い十字架を背負わせるのでしょうか。
これなら近親相姦の方が良かったと思ってしまうが…。

そうした感情から みどり と時緒を遠ざけたい おじさん。
彼が提示する、時緒が日本で働き続けるための条件は紫と婚約すること。

みどり に 一番ではなかった恋人・羽柴がいて、お別れしたかと思ったら、
今度は時緒に婚約者という形で紫がくっつくことに。

さすがに脅迫めいた交換条件に激怒する時緒。

しかし、おじさんの庇護を出るつもりはないらしい。
彼の能力ならば、どこでも仕事にはありつけそうだが、
時緒にはおじさんに育ててもらった恩があって、
これもまた一定以上の恩返しが出来ないと離れられないんでしょうね。
そういうところもまた「ロボット」なのだと思う。
少しだけ融通が利かない、人のように不器用なロボットである。


また、おじは親友でもあった時緒の父のように、
早まった洗濯をし、そして命を落とすようなそんな未来を二度と見たくないのだろう。
手段は別にして、それもまた親心ではあるが…。


柴と別れて以降、学校を休んでいた みどりは1週間ぶりの登校。

そこには、別れても変わらぬ心の優しさを持った彼がいた。

別れを切り出した自分にも関わらず、休み中のノートを手配するなど羽柴の心遣いにみどりは感謝を伝える。
「ありがとう、がんばるから」
これは みどり からの さよなら の言葉なのかもしれない。

驚くことに羽柴は、みどりが休んでいる間にバスケ部に入部していた。

これは、羽柴の自由時間を奪わせ、
放課後などにみどりとは会話をさせないぞ、という暗示か。
これにて羽柴くん、お役御免。

優し過ぎる人は当て馬になってしまうのが、少女漫画の慣例ですが、
当て馬だけど性行為まで進展したのは前代未聞のことではないでしょうか。

まぁ、他の男を忘れるための行為だったりするんですが…。

そして羽柴くんは『ちはやふる』の新(あらた)に転生するのでしょうか…(笑)


メリカでの火事の真相がある程度明らかになってから語られるのは、
現在の家に引っ越すにあたっての時緒が提示した条件について。

「窓の多い 隣に接してない一戸建て」

これが時緒の願い、そして絶対に高層マンションにしないこと。

なぜならマンションは火事で煙に巻き込まれた時に逃げ場がないから。
あの日、煙に巻かれ、窓から転落した父のように…。


これまで何度も印象的だった「窓」のシーンだが、

時緒がみどりを迎えにきた時、
そして羽柴がみどりを連れ去る時も窓から脱出していた。

それもこれも2階という低層階だから出来ることなのか。

時緒は外から目撃していた、あの日の火事。
もし一軒家だったら時緒の父は躊躇なく飛び降りて、怪我はあれど、死ぬことはなかったかもしれない。

彼が家を選ぶ条件は、みどり のためだけじゃなく、
自分の記憶・後悔・トラウマを想起させない目的もあったかもしれない。

一方、その話を聞いたみどりは何かを思い出しかける。

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『8巻』では何回か瞳孔が開いている みどり。自身の秘密を知った時、彼女はどうなってしまうのか。

暗いところ、暑いところが嫌いな自分。その原因は…。
暗い展開が続きそうですね。


そして日本に帰ってくる時緒。
だが、その横には婚約者として紫がいた…。

男2女1から男1女2の新たな三角関係に移行していきます。

みどり が時緒と安らげるエデンにたどり着く道のりは果てしなく遠い。