《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

少女漫画と小説の感想ブログです

風早翔太のサワコびいき。こんな風早は嫌だ。爽子を贔屓するためなら本音を言わない。嫌ですねー。

君に届け 25 (マーガレットコミックス)
椎名 軽穂(しいな かるほ)
君に届け(きみにとどけ)
第25巻評価:★★★☆(7点)
 総合評価:★★★★(8点)
 

「教育大決めたんでしょ」。思いがけない風早の一言に爽子の本心は…? そして龍の甲子園予選も、ついに準決勝を迎えます。千鶴と龍の恋の行方にも大注目!!

簡潔完結感想文

  • 龍ちゃん、千鶴を甲子園につれてって。風に乗って千鶴の応援よ、届け!
  • 爽子と風早のけんか。1回目の時はその口を口で塞げば解決したんだけど…。
  • 黒沼のばか。風早のばか。本心、言わんのばか。でも、人はばかだから学ぶんだよ。

いつも互いを思い遣っているはずの爽子と風早と、そして読者の私に激震が走る25巻。

今巻最大の読み所は何と言っても、1/4コーナーで判明した作者の椎名軽穂さんが「おぎやはぎのメガネびいき」リスナーだったこと。
これは驚いた。どうりで作風が合うと思っていました。
2020年の今も聞いてらっしゃいますかね。私は以前ほどの熱量はありませんが今もリスナーですよ。

冒頭からの閑話休題。ごめんなさい。つい嬉しくて身体が勝手に…。


『前巻』のラストで風早から志望校のランク上げ、すなわち風早とは違う大学への進学を勧められた爽子。
自分の本心を先回りしてくれた風早に感激するかなと思いきや、どうやら二人の間に微妙な空気が流れている様子。
なぜならそれは「二人」で決めた未来ではなく、風早が一方的に決めた、彼の中で確定された未来だから。
いくらランクを上げるとはいえ、そこに爽子の意思はない。
進路指導の先生としては心が伝わらない偏差値重視の誘導をしてしまっているので失格ですね。


さて、そんな中で開催中の高校野球北海道大会。
龍の所属する北幌高校野球部は準決勝まで進出し、全校生徒の応援を受け奮闘する。
準決勝から全校応援らしいですが、それまでは千鶴は応援に行ってたんですかね。
描写がないってことは行ってないんですかね。
どうやっても千鶴に応援してもらえる所まで勝ち続けるのが龍の一つの目標だったかもしれませんね。

しかし結果は敗退。準決勝敗退ってのがやけにリアルですよね。
多分、どの都道府県も強豪校(主に私立)があるので、公立校の北幌が準決勝に行っただけで大きなニュースのはず。
それだけピンと龍たち部員は努力をしてきたのだろう。


そしてかつて恋に破れた千鶴を龍が捜し出してくれた場所に、夢破れた龍を迎えに行く千鶴。
ここで千鶴の覚悟が語られます。強いですね。悩みぬいて、そして二人ならではの答えだと思います。

小さい町だから、というと偏見かもしれないですが結婚年齢は全国平均よりも早そうですね。
どうやら真田家は兄弟2人とも結婚は早くに済ませそうです。
もしくは自分たちが早く母親に去られたから、温かい家庭を持ちたいという切なる願望があったのかな。
兄の方は授かり婚っぽいが、弟の方はあと4年は止めてよね。

試合敗退のあと、部室を整理した龍は野球部監督のピンに感謝の言葉を述べる。
ピンとサシで会話する龍を初めて見たかも。
そして龍の恋愛事情も把握していて、そして首を突っ込むのですね。
手を出したこと、を否定しない龍。彼は嘘はつかないので、否定しないことは肯定を意味しますね。

龍の匂わせ発言。そして沈黙は肯定。確かに龍は一段と凛々しく見えるような…。

龍も野球部引退したので髪を伸ばしたりするのかな。
卒業式には風早に負けないサラサラヘアなびかせてたりしたら笑っちゃうかもしれない。
坊主の時よりも女子生徒の人気は確実に増えそうですね。
もう千鶴のものになってますけどね。

ちなみに龍は、3年目にして黒沼の名前を間違えませんでした。
そして兄夫婦の赤ちゃんにメロメロのご様子(前の巻では姪か甥かは言及されず)。


そんな龍のお疲れ会の最中に爽子と風早は志望校をめぐる話でケンカをしてしまう。
ケンカを見守っていたピンの判定によると「7対5」で黒沼の勝ち、らしい。
この試合の解説は翌日に健人師匠から発せられた言葉が全てではないでしょうか。
曰く、風早は本音を言ってないようです。「たてまえばっかの彼氏なんて そりゃ彼女も不安になるよー!」「相手のことかんがえてるよーで自分ばっかなの風早は!」と続く。
本音を言ったという実感があるだけ爽子に点数が加えられたのでしょう。
あと健人の2つ目の言葉はそっくりそのまま健人くんにお返ししたい言葉ではありますが。


そう考えると本当に爽子と風早って根底は逆ですよね。
周囲の空気を読んで八方美人に陥りがちな風早と違って、爽子は自分を偽らないポジティブシンキングで信頼と実績を勝ち得ている。
爽子の方が生きやすいのかもしれません。これまではきっかけがなかっただけで。

息を吐くように綺麗事を言ってしまう風早の悪い癖だろう。八方美人?

風早は父親との進路相談の時といい、今回といい、そして去年のクリスマス前の時も同じような失敗を繰り返してますね。
相手の望む自分を演じるのもそれはそれで精神力を使うことだとは思いますが、それを見抜いた人たちにとっては、複雑な感情を起こさせます。
だからこそ風早父は怒ったのだし、爽子はこんなにも悲しいのだろう。
ばかと思ったらばかと言えばいいんですよ。ばかが、大好きだよにも、ごめんねにも変換されるんですから。