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小生物語 (幻冬舎文庫)

小生物語 (幻冬舎文庫)

多数の熱狂と興奮を喚んだ現代の「奇書」がついに文庫版で登場。希代のミステリー作家・乙一の波瀾万丈、奇々怪怪にして平穏無事な日常が独特の“ゆるゆる”な文体で綴られる。虚実入り交じった小説家の一六四日間をご堪能ください。文庫書き下ろし日記(三日分)付き。


買ったは良いけどずっと放置されている何冊もの小説は未読のまま、小説ではなくこの日記から乙一ワールド突入。しかし小説を読まなくても、私は乙一さんにシンパシーを感じています。なぜなら伊集院光さんのラジオのリスナーという共通点があるから(えっ、それだけ…!?)。この共通点があるのなら私は乙一さんを応援し続けます。本業の方の小説もいつか、読むぞ!(後日談:↑をご覧になったらお分かりになる通り、ちゃんと小説も読んでます! そして作家としても大好きになりました!)
いや〜、面白い。日記とは名ばかりの嘘日記ではありますが、日記でこんなに文章が面白い人もそうそういないだろう。書籍化も当然されますよ。作家の書く文章は何でも作品である、と改めて思った。私も日記を書いてますが、お金になる日記と、ならない日記との差はかくもあるか、と敗北宣言(勝とうとは思っていませんが)。何気ない文章なのに面白い。言葉遊びや、短い日記での要領を得た伏線、叙述トリック、ショート・ショートのような後味の悪い結末まで何でも飛び出す。でも何より楽しいのは「平気で嘘をつく乙一」であろう。引きずり込まれる。この本に書かれた事が全部嘘であっても私は怒りません。意味の無い注釈も、余白だらけのページも大好き。ただ、意外だったのは家族との関係。いい家族に囲まれた真っ当な青年なんですね。てっきり、ひねくれ過ぎて家族と口もきかないような子に育っているのかと思っていたのに。特に姪の描写は楽しすぎる。実家の居間に飾られていた写真を盗む溺愛ぶりである。

小生物語しょうせいものがたり   読了日:2005年01月20日