
池山田 剛(いけやまだ ごう)
小林が可愛すぎてツライっ!!(こばやしがかわいすぎてツライっ!!)
第06巻評価:★★(4点)
総合評価:★★☆(5点)
ますます人気過熱中のこばかわ最新第6巻! 蒼の過去を知る謎の新男子キャラが登場し、めごと蒼の恋に新展開が!! まさかの三角関係勃発・・・?! 一方、十と梓も徐々にその距離を縮めていき・・・梓のツンデレにもさらなる磨きが・・・(>_<) 十に梓との恋愛フラグ、ついに立つ??
簡潔完結感想文
- ヒロインに夢を与えて、夢が花開くまでを縦軸にする。それって『鈴木くん』と同じ…。
- 墓穴を掘った窮地を救ったことはあったけど、悪意から守って十は梓の正ヒーローとなる。
- 相手を守るために3回目の入れ替わりが始まる。勿体ぶる展開を池山田作品で見たくない。
これまでの1巻分の内容が2巻分に増量は お得なの?? の 6巻。
池山田剛は稀代のストーリーテラーであることを再確認できる。なぜなら驚くほど内容がないのに退屈を感じないから。これは誉め言葉であり皮肉である。本当に『5巻』『6巻』と内容が無さすぎて絶望する。


タイトルにもしたけれど、新キャラが予告されて2巻が経過しているのに そのキャラの名前が判明しただけ。2巻分の分量があれば、これまでの池山田作品では新キャラが暴れて、下手すれば撤退なり決着を付けている。なのに名前の紹介だけで終わっているのは異常事態に思える。やっぱり『5巻』で書いたようにこの後の展開に悩んでいるから大きな流れを作れず、その場しのぎの話で繋いでいるのだろうか。
蒼(あおい)の過去話に なかなか着手できないからか、愛(めぐむ)には夢や未来を与えている。そして十(みつる)を正式に梓(あずさ)のヒーローにする。これが『6巻』の内容。いつもなら1巻分の要約が3千字ぐらいだけど今回は700文字で済んだ。
これまでの池山田作品は勢いだけと思わせて その裏に確かなテクニックを感じたけど、本書では1巻分の展開や情報量の少なさが悪目立ちしている。元々 連載を休むつもりだったから省エネモードになっているのだろうか。次回作では私の好きな池山田作品は戻ってくるのだろうか ということが心配で、本書については もう諦めモードに入っている私です。
元々は愛は「歴女」設定だったはずだけど、絵の才能が付与されて漫画家を夢見始める。ここで双子の名前の由来にもなっていたけれど2人の出生地が仙台であることが再確認される。それを知った蒼は いつか愛と2人で仙台に行ける日を願う。そして愛は蒼の妹・紫乃(しの)とも将来の約束をする。紫乃が小説家を志していることを知り、愛は いつか紫乃の文章に自分が挿し絵を描く合作を夢見る。
また愛は街中で出会った男性が、蒼を捜していることを知る。


梓が脅迫を受けていることを十は、愛から間接的に聞かされ、彼女のボディーガードとして動き始める。チラリと覗いた雑誌撮影の時と同じく、逆境でも強くあろうとする梓を知り、それと同時に彼女も普通の感性で恐怖や不安を抱えていることを知る。
蒼が愛の階段落下を助けてヒーローになり、十は最初 紫乃をトラブルから守ることでヒーローになった。しかし今回、梓を守る役目を買ったことで彼女のヒーローになった。十は まだ梓への好意を明確に自覚していないけど、彼女を助けたいという気持ちに好意が滲んでいる。
愛は蒼に敵意を持つ男性から彼を守るため、そして十は梓を守るため3回目の入れ替わりが始まる。作中では頻繁に起こっているようだけど、2人にとっては半年ぶり。そしてラストで登場予告から2巻かけて ようやく蒼を狙う男性が上杉 知永(うえすぎ ちはる)という名前だと発表される。

