《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

少女漫画と小説の感想ブログです

本書のヒーローは 中学1年生から女性に 性的暴行を加えていたことが公式発表されました。

蜜×蜜ドロップス公式ファンブック (フラワーコミックス)
水波 風南(みなみ かなん)
蜜×蜜ドロップス(みつ みつドロップス)
第00巻評価:★★(4点)
 総合評価:★★(4点)
 

FC累計200万部突破の大ヒット作品、待望の公式ファンブック登場。FC未収録の番外編3編を収録。多数のカラーイラストやキャラクター&ストーリーのヒミツなど、盛りだくさんの1冊。

簡潔完結感想文

  • 多くの読者が読みたい描きおろし漫画やインタビューは、最後の1/4だけですが。
  • 登場ページの少ないキャラにまで解説がある。ライターさん 頑張っているなぁ。
  • ヒーローが強姦魔であることが公式発表。ファンブックで胸糞が悪くなるとは…。

イターさんの並々ならぬ苦労が見える 公式ファンブック。

あまり こういう「ファンブック」の類は読まないが、全体的にテンプレな構成だと思われる。

私の第一の感想は、中身のない漫画の構成お疲れ様です、というライターさんへの慰労です。
こうやって再構成されると、あの欲望や性欲の においしかしない本が まともに見えてくる。

人物紹介も ちゃんとクラスメイトたち、9組18人用意されていて、大人数の賑やかな作品に思えてくる。
実態は主役カップルと作者のお気に入りの男性キャラの3人だけで展開していく内容なんですが…。

そんな作者は「カバーそで」で顔出ししている。
芸能人の あの人に似てる と思ったが、
きっと作者は喜ばないので名前は伏せておきます(芸能人というより芸人だし…)。

冒頭はカラーイラストは16ページ。
作者は、この後の作品でも大ヒットを飛ばし、
ちゃんと念願のイラスト集(原画集)を1冊の本として発売している。
漫画家としての実績は素晴らしい。

こんな美麗なイラストも収録。本編的には(左)の4人と上段右端の千駿しか活躍しませんが…。

ページを埋めるためにクイズなどの企画も多いが、クイズは力が入っていて感心した。

最も残念なのが描きおろしの番外編。
本書と作者の悪いところが全面的に出ていて唾棄すべき内容。
作者はヒーローが嫌いだから、嫌がらせで描いているのか、と疑うほど。

ファンブックで、作品を好きになるどころか、もっと嫌いにならせてくれて、ありがとう!

「蜜×蜜キャラクターズ」…
キャラ紹介、年表、質問コーナーなどで占められる章。
主に9組のMASTERとHONEY、約18人の人物紹介となっている。

白泉社的な特別クラス、9人の生徒が集まる九華科(くげか)を舞台としながらも、
主人公を含め3組6人で ほぼ紙面を割いていた本書。
可威(かい)と柚留(ゆずる)、那由太(なゆた)・絃青(げんじょう)、
そして千駿(ちはや)と そのHONEYとして紹介される茅架(かやか)は ともかく、
他の、総登場ページ数が10ページあるかないか みたいなキャラまで紹介文や質問が載せられている。

何度も言うけど九華科の全員に個人回があって、各々が活躍するなら いざ知らず、
『8巻』まで活躍の場面がなかった(下手をすれば顔も知らない)ような人の情報を知りたいとは思わない。

数少ない手掛かりをライターさんが一生懸命 膨らませた苦労がしのばれる。
が、本編で個性が発揮できていないのだから、
質問や解答に目新しい発見があるわけもなく、無難な文章が続く。

バカバカしいと思いつつ ちゃんと読んでいる私は、
可威の実家の広さにビックリした。
東京ドーム約10コ分ですって。70 LDK

可威は山奥にでも住んでいらっしゃるのかしら。
都心で そんな敷地を持っていたら地図で丸わかりだろう。

ちなみに大きさ的に近いのが東京大学の広さでドーム11コ分らしい。
皇居でもドーム25コ分なので、国を代表する名家なのだろう…(性犯罪者だが)。
ちなみに茅架の家はそれより広く、東京ドーム15コ分だという…。

人気投票の結果を含め、ここまでで全体の半分のページが使われる。

こんな登場しているコマを探す方が難しいレアキャラの紹介にも4ページ使う。ファンなら嬉しい⁉

「蜜×蜜ダイアリー」…
『8巻』の最終話直前までの話を時系列順に紹介。

息をつく暇もなく柚留に次々に試練が与えられていることが分かる。
やっぱり柚留・可威・千駿 至上主義を捨てて、
九華科(くげか)全体に焦点を当てたら かなり面白くなったはずと思わざるを得ない。

「蜜×蜜フィーチャーズ」…
恋愛に関する座談会や、ドキドキシーンなど恋愛・性愛に関する事項を集めた章。
座談会は完全にライターさんの手による創作だろう。
書名は公式ファンブックではあるが、ここでの発言は作者の手による完全な公式ではない。

MASTER診断ゲームやクイズ、読者からのイラストなどエンタメ要素もあり。

「蜜×蜜スペシャル」…
多くの読者にとって、残り1/4となった ここからが本番ではないか。
描きおろし番外編や単行本未収録だった話、作者のインタビューが載っている。

描きおろし番外編
「可威の手を出すのが早くなったワケ」…
5ページ。柚留の初体験の夜、可威の初めてを聞き出す。
未だ純粋にHONEYとの特別な関係を信じていた中1の頃、可威はHONEYの裏の顔を知る。
だから罰として彼女を強姦する…。
これが可威の初めて。
サイッテ―。
ってか作者の正気を疑う。
可威は女性を性欲処理機として、自分のストレスを吐き出し続けた男でしかなかった。
更に柚留本人にも同意なく性暴力を加えた。
およそ正常な人間には見えないが、これが読者人気1位のキャラだというのだから世も末だ。

まさかファンブックでまで胸糞の悪い展開が待っているとは思わなかった。

「ロンリー オンリー バレンタイン」…
3ページ。可威の幼稚さが前面に出ている話。
可威が俺様でいられるのは、周囲の女性の奉仕にも原因がある気がする。

「欲情☆スイカ割り」…
3ページ。タイトル通り、どんなイベントでも欲情する性犯罪者の話。

「~壮絶☆模範的「HONEY」バースデー~」…
10ページ。毎年、誕生日になると体調を壊す絃青の謎。
こういうギャグ方面の方が断然 面白い。
変なキャラは いっぱいいるんだから、多方面から話を作って欲しかった。

水波風南先生 SPECIAL INTERVIEW」…
エロ方面に進出したのは担当さんが替わった時からだという。
その路線は成功したが、この作風は方々から問題視され、やがて少女漫画界は浄化される。
売れ線に手を出したが、流行は目まぐるしく変わっていく。
この後、作者が どういう路線を取るのか、これ以降の作品で確かめたい。