《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

主に少女漫画と小説の感想ブログです

貴方の向こう側に見える人に私は惹かれたのでしょう。それは夫、それは父、それは聖母。

f:id:best_lilium222:20200601214607p:plain
時計野 はり(とけいの はり)
お兄ちゃんと一緒(おにいちゃんといっしょ)
第9巻評価:★★★(6点)
  総合評価:★★★☆(7点)
 

自分の気持ちを伝えてからも、桜には肝心の正の気持ちがイマイチ分からない。そんな折、道で赤信号を渡ろうとしていたお婆ちゃんを助けた剛。でも、おばあちゃんは剛のことを亡くなった旦那さんの“将介さん”だと思い込んでしまって…!?

簡潔完結感想文

  • 恋愛描写加速中。ただし正と桜 以外。剛は50歳以上年の離れた方とデート。
  • 正が男性から求婚され大騒ぎ。鈴木は求愛できなくて大混乱。入れ替わってる⁉
  • 隆は深窓の令嬢に求愛されてローマ的な休日を過ごす。印象に残る宮下家。


いよいよ お兄ちゃんたちにも恋の季節が到来する9巻。
長かった、長すぎたかもしれない夏もいよいよ終わりそうな気配です。

9巻に突入して、お兄ちゃんたちの恋愛も解禁された気がしますね。
3年間も妹・桜(さくら)ちゃん以外は、女っ気の無い男だらけの共同生活でしたもんね。
長兄・正(まさし)だけ家庭内で桜とイチャイチャしていちゃ、弟たちも我慢の限界かもしれません。
この巻で登場したお嬢さん方とお付き合いを始めるのかなぁ、
彼女たちが桜の義姉(おねえ)ちゃんになる日もくるのかなぁ、などと想いを馳せる。


剛(つよし)はちょっと変化球。
長年連れ添った夫を亡くしたことにショックを受け、剛が夫だと思い込んでしまっている老婦人とのお話。
祖母が大好きでそれ故に心配する孫の女性の頼みもあって自分が夫に成り代わって一日デートを約束する。

f:id:best_lilium222:20200602183150p:plain
剛がデートに誘う時の言葉は…。
若い孫との交流はそれほど描かれていないが、孫の方は剛の笑顔に胸キュンのご様子。
もしかしたら祖母が剛に夫と共通したものを感じたように、剛の中の何かに血筋が反応するのかもしれない。
ちょっと強気で、でも心根の優しい人、共通点の多そうな孫ちゃんである。
あちらから連絡先とか交換してて欲しいなぁ。


隆(たかし)は、ある日、川沿いで座り込んでいる女性を助けたことから始まる、ラブ・ストーカー・ロマン・ホリデー。
隆は例え自分が苦手にしている女性であっても、ジェントルな振る舞いが出来る人だから、隆からの気持ちはわかりませんね。
彼女の側も隆が父親に似ていることもあって一日だけでもそばに居たいみたいですね。
物語としても隆への好意よりも、彼女の見識の広がりに重点が置かれている気がする。
自分の弱い身体と向き合って毎日を過ごして、心身ともに強くなった頃に彼女はまた隆の前に、次は本当の恋を求めて現れるんですかね。

f:id:best_lilium222:20200602183351p:plain
女王ではなくお嬢様のローマ的休日

隆に関して言えば、隆も剛の次には兄へのブレーキ役またはそれを超えてツッコミ役を担ってますね。
正の桜への行き過ぎた行為には警告、もしくは直接的な制裁を出している。
顔に似合わず分厚い本で兄を殴打したり、真剣を取り出したり、結構過激な人です。


正もまた、隆や剛と同じように自分ではなく、その向こう側に見える役割によって求婚される。
共通するのは言い方が少し悪いですが、代替品や依り代、象徴としての憧れかもしれませんね。

f:id:best_lilium222:20200602183236p:plain
男性にプロポーズされお嫁さんになる正。
正が男性だと一片たりとも思わず、真っ向から男性説を否定する求婚者の男性・松原(まつばら)。
その一刀両断の言葉に正が珍しく凹んで反省する様子が面白いですね。
正が女装に関して良心の呵責に耐え切れなくなるのは初めてですかね。
妄信的に全否定するといいんですね。
いつぞやの剛の拾ってきた子の回と同じく、力不足に悩んでも子供の望む幸せを叶えるのが親の務めのようです。
色々な形の別れを経て、欠けてしまった家族の物語という骨格は、この後の『学園ベビーシッターズ』でも引き継がれていますね。


武は…。
武の恋はどうなってるんでしょうか…。


鈴木くんの恋は現状維持。
なぜ彼が桜に恋したのかが明かされます。
彼の見たものは白昼夢でしょうか。それとも予言でしょうか。
彼氏として普通の幸せをくれるのは、鈴木くんだとは思うのだけれど。
彼は広い意味で桜の幸せを願う男になってしまったようですね。

一度ぐらい好意を桜に伝えて欲しかったなぁ。
でもヘタレ属性を失った鈴木くんなんて鈴木くんじゃないよね、と思い悩む。


「きみとぼくのうた」…
アイドルプロダクションが経営する男子校に通う信ノ介くん15歳は歌を心底愛する音痴。
ある日、隣の女子高からきれいな声で歌うのが聞こえて…。
歌で世界が変わる一編。
女の子の名前が花島(かしま)であることに因縁を感じなくもない。
男の子は『学園ベビーシッターズ』の竜ちゃん(鹿島竜一)に似ていなくもない。
でも竜ちゃんより相当アホの子です。それもまた良し。
『学園~』の連載が終わってしまったら「五ツ星学園」のアイドルたちの日常を描く「学園ファイブスターズ」を開始してもいいよ☆