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まんぷく劇場 (文春文庫)

まんぷく劇場 (文春文庫)

なつかしい、あの日あの頃の自分。淡い思い出にとどまらず、ムロイならではの珍事件の連続であった。突然届いた得体の知れない謎の小瓶の中身は?帰宅すると必ず電話をしてくるストーカーの正体とは?実は数十回体験しているお見合いの顛末…読んでいる時は大爆笑だが読後ホロリとさせられるウソの様なホントの話が満載。


室井滋さんは文章・エッセイ上手だなと改めて思った作品。普段のエッセイの通り、日々のとんでもない出来事とともに、今回は各話ごとにそのエピソードに合った映画を物語に絡めて紹介しています。この絡ませ方が見事。最初っから映画のタイトルを引き合いに出したり、最後に映画の話を出したり、と構成がうまく出来ている。普通、映画の話を盛り込んでください、といわれたら同じような展開で読む側も飽きるだろうけど、何種類もの語り口で楽しませてくれるのはさすが。
麻薬・指名手配・父のお見合いとホントに色々な話をまだまだ隠しもってるな、と感心します(当人は別に隠しているわけじゃないんだろうけど)。今も「週刊文春」で連載をしてるという事は、現在進行形で様々な事件に巻き込まれている、と同義語だろう。大変だけど色々体験して書き続けてください、室井さん。

まんぷく劇場まんぷくげきじょう   読了日:2003年04月04日