
アリハラ ナオ
きよく、やましく、もどかしく。
第06巻評価:★★★(6点)
総合評価:★★★☆(7点)
コワめな見た目で中身は純情なギャル・円城寺は風紀委員長の彼氏・藤井のクセつよな愛にやられっぱなし!! 藤井の家でクリスマスパーティーを楽しんでたら…なんと大雪でお泊まり決定!! いっちばん長い聖夜の行方は…? ピュアギャル×変態風紀委員長理性の限界挑戦中!!
簡潔完結感想文
- 1回目は するする詐欺で失敗に終わったけれど、これは2回目での「セイコウ」フラグか。
- 2回目の浮気疑惑で再び闇堕ちする藤井。疑心を溶かすピエールでマルコリーニなチョコ。
- 3年生になり進路問題が出現。結局、今年は文化祭で共同作業が出来るんじゃねーかよ…。
藤井と一緒にいると遥が家に帰れなくなっちゃう 6巻。
何でもありのラブコメなので、藤井(ふじい)の在籍していた特進クラスが解体され、3年生では遥(はるか)と藤井は同じクラスになる。その直前に、藤井は遥と学校行事を一緒にやりたかったという理由で生徒会主催の演劇に参加しているのだけど、結果的に見ると3年生では共同作業が出来る状況が整っている。さすがの藤井も特進クラスの解体は予想できなかったか(笑)


ただし3年生に入って進路や受験問題に着手したため、3年生では文化祭回などに時間を割けないのだろう。だから藤井の願望を叶えるために一緒に出演する演劇を ここで実現させてあげたのかもしれない。作者は藤井に甘い。学校イベントといえば本書では修学旅行が実施されないけれど、これは連載の形態の変化や先行きの見え無さが影響しているのだろうか。本書ならではのハチャメチャな修学旅行を読んでみたかった気持ちはあるけれど、それだと竜太郎(りゅうたろう)や宮本(みやもと)の下級生組が参加できなくなってしまうのか。
友人の恋枠として活用されることになった宮本はともかく、当て馬でもなかった竜太郎は出番が難しい。それでも演劇に参加させてあげたり、藤井にツッコむキャラとして どうにか出番を作ってあげているのが作者の優しさのように感じた。遥の女友達・馬場(ばば)や担任教師など1回出てきたキャラを ちゃんと この世界に生存させてあげているのが良い。まぁ遥の友人枠には もう1人女性がいたような気もするが…。キャラが立たないと ひっそり消える。テレビ業界のような厳しい世界である。
好きな作品だけど さすがに『6巻』前後からマンネリ気味になっており、次巻が最終巻なのは良い判断だと思う。これ以上 続けても仮想敵ライバルに嫉妬して空回る内容しかないだろう。今回登場した生徒会長もキャラを強めにしているけど それほど展開するキャラにも見えない。本格的にネタ切れになり飽きられてしまう前にラブコメとして美しいまま終われたのではないか。
演劇が結局 藤井の望むエンディングを迎えたように、本書のラストも藤井が描く理想を現実のものにするためにあるのだろう。遥も もちろんだが、藤井は作者に愛されているよなーと思う作品である。
仲間たちとのクリスマス会の後、自宅に帰れなくなった遥。急遽お泊り回が始まったことに遥は動揺を隠せない。遥は脳内の堀越(羞恥心の象徴)とバトルをして、何とか煩悩を鎮めようとするが、バトルによって変なことを考えてしまう悪循環が生まれる。空回っている遥に対して藤井は紳士的。生温かく見守ることで面白いことが起きることを彼は知っている。
それでも お互いに用意しないはずだったクリスマスプレゼントを交換したり、風呂上がりの藤井の髪を遥がドライヤーで乾かしたり恋人同士としての時間が流れる。藤井はベッドを別々に寝ることを提案するが、途中で遥の方がギブアップして彼のベッドに自分から向かう。据え膳状態なのだが、それでも遥は羞恥心を捨てきれず、脳内堀越とのバトルが続行する。脳内堀越の正体に遥が気づき、遥は泣き出す。その情緒不安定な彼女に藤井は優しく接し、本音タイムが始まる。藤井の紳士的な行動は精一杯の自制の表れ。それを可愛く思った遥は藤井の自制を緩めていいよ、と自ら据え膳になるけど、結局 藤井を生殺しにする。それでも いよいよという雰囲気になるが邪魔が入り「するする詐欺」で終わるのは少女漫画の様式美か。失敗はセイコウのもと。
続いてはバレンタイン回。遥は藤井にサプライズっぽくチョコを渡したいとか考えているが、それはもう失敗フラグである。話を ややこしくするのは初登場の この学校の生徒会長。遥たちと同学年なのか、上級生の3年生なのか謎。でも3年生が2月まで暇しているということはないか。
生徒会長を藤井の上司と思い込んだ遥は、自分のようなヤンキーギャルと風紀委員長との交際は藤井の評価を下げると思い、自分たちの交際を否定する。だが変人同士、会話が噛み合い、竜太郎(りゅうたろう)の煽りもあり、藤井にはライバルの登場のように思えた。
しかもバレンタイン当日、遥は藤井がチョコ(らしき物)を貰う現場を目撃してしまい涙する。それを生徒会長に見られ急遽 人生相談が始まる。その相談中に生徒会長が空腹であることを知った遥はチョコを渡し、後に生徒会室に入室した藤井がそれを発見。いよいよ藤井の絶望は極まる。
遥を拘束・監禁して真相を聞き出そうと彼女を辱める藤井。かつてプレゼントで渡した腕時計は束縛や裏切りの禁止の呪物に見える。こうして すれ違ってから本音タイム突入。お互いに誤解をしていただけと発覚し、この一件は解決するはずだった。
しかし生徒会長から遥は求められ続ける。今度は藤井も介入し、監視(束縛・牽制)を続ける。藤井の異様な雰囲気を察した遥は、通りかかった竜太郎を引き入れ、生徒会室に向かう。そこで3人は病欠の副会長の代わりに子供向けの劇への出演を懇願される。藤井は生徒会長と遥の接近を阻止したいはずなのに、クラスが違う遥と一緒にイベントを体験できるメリットを優先する。
紆余曲折あって劇の根幹はシンデレラとなり、そこに流行の要素のスパイと殺し屋を混ぜ込む。藤井は王子、竜太郎と遥はスパイの役となる。ってか1人病欠なだけなのに、3人が重要な配役になるのは なぜなのか? 脚本を変えたから? 生徒会長と遥の接近が藤井の嫉妬を生むはずが、王子役の藤井とシンデレラ役の生徒会メンバーの女子生徒の接近に遥の方がヤキモチを焼く。
本番当日、本来は履けないはずのガラスの靴が遥の足にフィットしてしまったため王子・藤井はアドリブで女スパイとの結婚を決める。シンデレラの幸せも確保され、スパイ・遥の懸念する問題の無くなり正式にプロポーズを受け、2人は幸せに暮らす。ガラスの靴の すり替えは藤井によるもの。劇中でも遥以外の女性と幸せにならない という彼の信念(または執念)が見える。
春休み。宮本が堀越と遊園地デートに行き、自分の思いを伝える知った遥は藤井と尾行しようとする。だが藤井は却下。基本、他人のことは放置である。しかし遥の願いを聞くために、遥に自分の願いを強要することで藤井は妥協する。本編でも触れられているけど よく尾行する作品である。
結果的に2組のカップルが別々にデートしているだけである。遥たちが少女漫画で一番 大切なアトラクション・観覧車に乗ってイチャイチャしているところを、角度的に堀越たちに目撃され尾行終了。最後に宮本の思いと堀越の名前・凛花(りか)が発表される。


新年度になり3年生になる。そこで特進クラスのはずの藤井が、特進クラス解散により遥と同じクラスになる。親から大学進学をしろと言われている遥は成績が芳しくない中、藤井との勉強会により学力の向上を目指す。しかし優秀な先輩が恋愛にハマって受験に失敗した話を小耳に挟んだ遥は藤井のために距離を置くことを一方的に宣言。
だが自力での勉強は難しく、周囲の人に教えを請おうとしても上手くいかない。学習塾は金銭的な問題で考えない。そんな遥の空回りを助けるのが藤井。藤井は、彼が初めて遥を見た図書館に連れて行き、そこで本音タイムが始まる。遥の杞憂に対して藤井は絶対に合格する自信を見せつけることで この問題は解決するのだが…。
