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少女漫画と小説の感想ブログです

いじけてたら皆が手を伸ばしてくれる、そんなアニ研部長は主人公並みの愛されキャラ。

青春しょんぼりクラブ 16 (プリンセス・コミックス)
アサダニッキ
青春しょんぼりクラブ(せいしゅんしょんぼりくらぶ)
第16巻評価:★★★☆(7点)
  総合評価:★★★☆(7点)
 

依子と日御崎の関係はどうなるの!? カナと津和野のもどかしすぎる恋の行きつく先は!? そして我らがにまに大事件勃発!? 正真正銘、これが最後のしょんぼりクラブ!! 新世代ざんねんラブコメディー、大・団・円&番・外・編の最終巻!!

簡潔完結感想文

  • 映画研には手を出すな! 脅迫材料のはずの隠し撮りが雄弁に語ることとは⁉
  • 幼なじみは手が出しにくい。あちらが気づいて手を伸ばしてくれるのなら…。
  • 最終回までしょんぼり。本編も番外編も最終回は主人公が失踪するなんて…。

た今日も青春の1ページが増える 番外編の最終16巻。

この作品を通して作者の言いたいことは文化系部活 万歳、だろう。
それに比べ、体育会系部活の女子部員は大層 口が悪く、乱暴なこと(苦笑)

本編は『15巻』で終了しており、この『16巻』はサブキャラと主人公の その後を描いた番外編である。

主人公・にまが2年生になって以降の話で構成されており、最終的には2年生の11月まで到達する。
つまりは16歳の にま の青春の日々が『16巻』なのである。

1学年上の隠岐島(おきのしま)たちは受験生だが、彼らが勉強している様子は見られない。
まぁ隠岐島&簸川(ひかわ)の先輩コンビは優秀だから大丈夫でしょう。
教師や勉強といった学校生活の息苦しさは ほぼ脇に置かれているから読みやすいのだし。

『16巻』の内容は、当て馬から脱落した途端、出番が急激に減った日御崎(ひのみさき)と依子(よりこ)の恋と、
当て馬役を終えて以降、恋愛描写の無かった津和野(つわの)と香菜(かな)の幼なじみの恋の その後が描かれている。
この2つの恋に劇的な結末はないが、明るい未来を予感させて終わっている。

そして新たな文化系部活として映画研究会が『16巻』の横軸となっており、
その活動に隠岐島が女装する「女装島」となって巻き込まれており、これまでと変わらぬ日常が戻っている。

予想外だったのは、この「女装島」の登場。
私の説では女装は卒業して、にま の彼氏に専念してるはずなのですが。
まぁ、これは本編ではないし、ウン…。

それに隠岐島が2年生の3学期中~春休みの交際期は女装してなかったし、
3年生になって、交際安定期に入ったから解禁、みたいな脳内設定で補完しよう。

今回の隠岐島アニ研案件のダンス動画と、映研案件の映画出演をしている。
でも隠岐島は音感がないらしくダンスも苦手。
演技は出来るらしい。

しかし彼が女装島になったということは、今は体毛を処理してるのかぁ…。
体毛を彼女と同じレベル(か それ以上)で処理する彼氏。どうなんでしょう。


ラスト2話は作品における愛されキャラ2人の しょんぼり話。
愛されているけど面倒臭い2人は、面倒臭いけど愛されている。
続々と仲間が集まる様子は、どんなにバカバカしくても胸が熱くなるものがある。

まだ青春の日々は残されているので彼らとは「また ひょっこり どこかでお会いでき」るかもしれない。
にま の高校生活を最後まで描くのなら『17巻』も『18巻』も いけるのではないか。
いやいや、卒業しても再開すれば いつでも青春時代に戻れるのが友達のいいところ。
20歳を超えても、30歳になっても彼らの姿を見続けていたい。

取り敢えず、現時点では ここまで。
ありがとう、しょんぼり。ありがとう、青春。ありがとう、青心研。


「CONTINUING STEP 1&2」…
二股をしていた映画研究部の男性部長を観察する青心研(青年心理研究会)。
だが本人からクレームが入り、部長である依子に復讐を誓う言葉を浴びせる…。

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今回の日御崎は依子をピンチから助けるヒーロー。映像と手紙が心を通わす道具になる。

ちなみに映研部長は手芸部隠岐島に復讐した宍道(しんじ)に似ている。
本書における復讐顔ってことか?
対立や問題は同性同士が多かったですが、この映研部長は依子に容赦がない。
実際に彼の矛を収めさせるのは日御崎なので同性同士の話し合いになりますが。

依子と日御崎の その後の話。
ある日、依子の靴箱に名前の書いてないラブレターが入っていたことから2人は探偵と助手となり差出人捜査を始める。
依子は青心研のデータベース。
「データベースは結論を出せない」(米澤 穂信さん『古典部シリーズ』)からなのか、
真の探偵役・問題解決は日御崎の役割となる。
いち早く真実に辿り着いた日御崎が依子の盾になっている。

そういえば日御崎が自分のこと以外で動くのは初めてかもしれませんね。
これも好きという感情が自分をコントロール不可能にさせることの一部かもしれない。

映画研部長が盗撮した映像を没収し、その映像を見ることで自分の背中で依子が自分に恋する表情をしていたことを知った。

確かに依子は にま と違って好きを表現しませんからね。
日御崎が見ていない視点で、こういう表情をするのは日御崎にとって大きな発見だったでしょう。
この一瞬の表情は、日御崎にとって忘れられない映像となるだろう。

『7巻』の元同級生からの手紙でこじらせてしまった日御崎に関わる問題が、
一貫して手紙や手書きの書類(入部届)にまつわる話という共通項が素晴らしい。
そういえば『7巻』も探偵業のような話だったなぁ。

友情を繋ぎ止めた文章に続いて彼が書くのは 愛を綴る文章か。

「CONTINUING STEP 3」…
新生児室のベッドも お隣同士だった香菜と津和野の、兄弟みたいな幼なじみの厄介さ。
2人の境遇は、水瀬藍さん『ハチミツにはつこい』と同じである。

温和で優しい手芸部の津和野は後輩の1年生たちから人気。
香菜は嫉妬を買って1年生に囲まれる始末。

これまでも香菜は何回か女性に囲まれていますが、
香菜が強そうだから、相手も複数人で対抗するのでしょうか。
そう考えるとタイマンで勝負を挑んだ にま は図太く、強いことが分かる。

しかし香菜は津和野に想いを伝えて(関係性が)壊れるのが惜しい。

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この時、香菜が照れから視線を逸らさずに津和野を見ていれば、彼の耳の赤さに希望を見たはず。

そんな時、1年生に囲まれて せっかく津和野に付けてもらった制服のボタンが宙を舞う。
幼稚園児のような超ピンクのダッッサイボタンだけど、香菜は執着して探し続ける。
ここで隠岐島との下校を後回しにしてでも探すにまが良いですね。

香菜の捜索に津和野が駆け付けたのは にまが事情を話したからか。

津和野がボタンを探し当ててくれて、香菜の手に落としてくれた瞬間にボタンは宝石になった。
ボタンは香菜の恋心そのものか。
それを津和野が見つけて、一歩 踏み込んだ言葉と共に香菜に返す。

本書の男子は派手じゃないけど、しっかりとした良い男が多いなぁ。

「CONTINUING STEP 4」…
コスプレダンス動画コンテストに応募するアニ研
しかし隠岐島のダンスは壊滅的の上、今は映研にヒロインとして抜擢されているため時間がない。

隠岐島の将来は案外、自分が嫌がっていた顔を見られる役者になりそうな気もする。
ナルシストではないから、演技も独り善がりじゃなさそう。
性格的にも求められる役を演じる、という意味で合っているし。

そこから始まるアニ研の放浪。
隠岐島に代わってダンス動画に出演してくれる人を捜して、
アニ研が知る限りの「女子」に懇願していく お話。

女子生徒大集合で、まだ皆 在学中なのに気分は同窓会のようになっている。

だが全員にお断りされて、にま も選外で、簸川自身が初の女装をすることになった。
彼女の名は、女装川? それとも「He 川」じゃなくて「She 川」だろうか(笑)

絶体絶命のアニ研部長を救ったのは…。

たった1コマでも、ダンスの振りが周囲と違う にま と隠岐島に笑ってしまう。
楽しそうな毎日で何よりだ。
ってか、そろそろ3年生は引退?

「CONTINUING STEP 5」…
昨年は隠岐島たち先輩の修学旅行の時期だったため、スキップした にまの誕生回。
ってか、今年の修学旅行は この時期じゃないの?

11月2日が にま の誕生日。
それに向けて青心研を中心にサプライズパーティーが計画される。

しかし当日、サプライズに気づいていたはずの にま は、しょんぼりブランコに揺られていた…。

両想いになって以降、にま は自分の勘違いで浮かれて、そして夢見心地から転落する人生である。
ただし、しょんぼり するから立ち直り、視線を上げると周囲の温かさを知ることが出来る。

まぁ、これから部室での お祝いのはずが3時間の正座説教コースになるのも、
17歳 最初の楽しい思い出になるのではないか…。