《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

少女漫画と小説の感想ブログです

作者が特別 可愛がっている男の子たちの課外授業。最終巻なのでサービス サービスぅ!

コスプレ☆アニマル(14) (デザートコミックス)
栄羽 弥(さこう わたり)
コスプレ★アニマル
第14巻評価:★★(4点)
  総合評価:★★(4点)
 

アラタの家に、突然、オーナーから届いた謎のプレゼント……それはライオンの着ぐるみを脱がない少女!? 言葉を発しない彼女がえぐる、アラタの恋の古傷――もう一度リカに向き合った時、アラタは!? 大ヒットシリーズ、『コスプレ★アニマル』最終巻、アラタの2ndラブがたっぷり100p!! フェリーチェボーイズ・男だらけの社員旅行「ボーイズトーク!」も収録! リカ&元(ハジメ)の未来も描かれる涙の大フィナーレ!

簡潔完結感想文

  • 過日は何巻にも亘って三角関係を継続したこと謝罪します。次の恋、見つけましたので。アデュー!
  • 独りで思い悩んで別れるを選ぶことも、結婚を急ぐことも同じ理由。経済力ゼロですが結婚希望。
  • 三角関係、親の再婚、左遷、親の病気、過去のトラウマ、物語を引っ張ってくれたのは いつも他人。

者が 特にお気に入りの男の子を特別扱いする番外編の 14巻。

その男の子の名は、アラタと古賀(こが)。

2人の共通点は、本編で無敵のカップル・リカと元(はじめ)に対して、
果敢に三角関係を挑んできた2人ですね。

彼らの恋に本当に一区切りをつけさせ想いを成仏させる番外編でしょうか。

まぁ、アラタはともかく、古賀は別に要らない、というのが私の感想。
古賀が主役なのかも微妙な内容だし。

番外編の最後は まさにお疲れ様会で、温泉地で彼らを慰労する一編。

顔の区別も名前も分からないカフェ・フェリーチェのバイト陣たちは要らないが、
温泉地ということもあって、サービスカット満載。

ただ、リカと元の性描写は今回もなかった。
私調べでは『11巻』から直接的な性描写はありません。

2人の恋愛の純度が上がると、性描写が激減するのは少女漫画あるある ですね。


三角関係の敗者(という言葉が適当か分からないが)の扱いは難しいですね。

今回のアラタのように、さっさと次の恋愛を見つけて、
これまでの想いや騒動などなかったかのように、ラブラブになられても腹立たしいし、
一方で、古賀のように気持ちは切り替わったという描写だけだと物足りなくも思う。

古賀は変わらず そこそこ遊んでいくような気がするので、
彼は50歳ぐらいで若い女性と結婚すればよろしいかと…。

「インプット・メソッド」…
もしかしたらヒーロー・元(はじめ)よりも人気が高いアラタを主人公にした短編。
一人暮らし状態のアラタの家にオーナーが持ち込んだのは野獣…⁉

『13巻』で意味が不明だった描写の裏側が分かる。

来懿(らい)は、リカとは反対のベクトルで自分の身を守るためのコスプレをしているのか。
ってか、まさかライオンの格好してるのは書名『コスプレ★アニマル』を現実にするため⁉

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When You Have Eliminated The Impossible, Whatever Remains, However Improbable, Must Be The Truth.

オーナーも自分の姉夫婦が姪に対して害を成していることを理解しながら、
口を挿まないのは少し卑怯に思える。
(家族だからこそ口を挟めない部分はあると思うが)。

そして その姪をバイト先の高校生に丸投げするのも非現実的。
展開上仕方がないとはいえ、男性宅に姪を預けるなど言語道断ではないか。


ラストはご都合主義&やや唐突な展開かな。

あんだけ諦めの悪かったアラタが、ほぼ文通で人を好きになり、
見た目も好みに変わったから、いきなり恋に落ちるというのは残念な強引さ。

連載2回分じゃ時間の経過も上手く伝わらないし。

元の父親に恋するあまり元の一家を崩壊させた深咲(みさき)といい、
三角関係であれだけ大騒ぎしておいて、
勝手に新しい恋を見つける人たちが少し腹立たしい。


ただ私が心底、安堵したというか、
作者に感謝したいのは、この内容を本編に持ち込まなかった点。

この手段を使えば『コスプレ★アニマル』という作品はあと2年続けられたかもしれないが、
良くも悪くもではあるが徹頭徹尾、作品をリカと元のことに集中してくれた。

私が以前読んだ『漫画』は、いつの間にか主人公を差し置いて別の女性キャラが
パリでモデル修行の話に なってましたからね…。


「ボーイズトーク!」…
カフェ・フェリーチェの慰安旅行。
バイトにも福利厚生で(?)旅行させるなんて、さすが人気カフェ。

前半のバイト陣の恋愛相談は全く要らないと思うが、
全員が腹を割って恋愛の悩みを吐露するのが本編の目的だから仕方がない。

にしても元(はじめ)は0か100かしかない極端な性格ですね。

『13巻』で別れようとした原因も、今回 焦って結婚しようと思った理由も
それが同じトラウマに由来するんだから面倒臭い。

自分の都合で相手を振り回している構図は変わらないので、
あんまり成長していないようにも思える。

生活力とか一切無視をして親元に挨拶するド痛いヤツにしか思えない。

けれど本編中ではかなり前から示唆されていた結末なので、
そこまで描けたのは作品のためにも良かったのではないか。

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現役高校生で受験生の甲斐性ナシですけど、第一志望は結婚なので取り敢えずご挨拶を と思いまして。

リカの異母姉妹のミカの成長度合いからすると、結婚は本編終了の3~5年後ぐらいか。
最長で元が大学卒業するまでは我慢した感じでしょうか。

リカたち新郎新婦の顔は見えないまま。
アラタは一気に老けましたね(笑)
来懿とはうまくいっているようた。
そしてミカはアラタにもオーナーにも懐いている。
栃木県のリカ父夫婦と頻繁に往来があるのだろうか…。

元の父親の後ろにいるのは深咲(みさき)だろうか。
本書最大の悪人、お前だけは絶許(絶対に許さない)(苦笑)