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少女漫画と小説の感想ブログです

オレが どれくらい君のことを大切に想っているか、察さない君が好きだよ☆

ココロ・ボタン(2) (フラワーコミックス)
宇佐美 真紀(うさみ まき)
ココロ・ボタン
第02巻評価:★★★☆(7点)
  総合評価:★★★☆(7点)
 

古閑(こが)くんと「お試し」でおつき合いすることになってから彼のドSっぷりに振り回されまくりのあたし。だけど、ちょっとずつだけど、古閑くんに近づけてる気がするんだ&&そんなある日、古閑くんがウチに遊びに来てくれることに!――もしかしてあたしたち…いよいよ正式におつき合い!?――なんて期待しちゃってもいいのかな…?いじわる&ラブ満載、ドッキドキの第2巻!!

簡潔完結感想文

  • 家族へ紹介。一度 抱擁現場を見られてから家族の催促が激しい。妹以外は無事対面が済んだが…。
  • 妹の暗躍。古閑と同じ塾に入ってからというもの何かと接触する妹の葵。似た者同士は好みも一緒⁉
  • 新しい「お試し」。古閑と同じ特進クラスから「お試し」の立候補者出現。回答は古閑に委ねられ…。

訳でしか物事を 捉えないから、すぐ傍の幸せに気づけない 2巻。

『2巻』が終了しても まだ「お試し」の交際の2人。
でも第三者からしてみれば、もう正式に順調に公式に つき合っている としか言えないような…?

でも主人公の新奈(にいな)が欲しいのは、お試し相手の古閑君からの正式な言葉。

彼が新奈のことを「好き」とか「つき合おう」とか「愛してる」とか言わないことこそが、
彼の「S」な精神の表れだと思うのだけれど、
そんなことに気づかないぐらいに新奈は恋に一生懸命な お馬鹿さんなのだ。

恋は盲目、そんな言葉を体現した物語は まだまだ続きます。


回、古閑君との おつき合いに舞い上がっている新奈に水を差すのは、
新奈の一歳下の妹・葵(あおい)

古閑と つきあってからというもの、妹の目に入る場所で喜怒哀楽を分かりやすく表現していた新奈。

そんな姉の姿を見て、葵は古閑という男がロクでもない男で、
新奈は遊ばれているだけだと指摘する。
そして話の流れから、古閑が休みの日に新奈の家を訪問することになったのだが…。

作中でも古閑が指摘していましたけど、両親の挨拶は「結婚のご挨拶」みたいだ。
というか私は、少女漫画における両親との自宅での対面は、もはや結納だと思っている。
『2巻』にして、将来が約束されました。
新奈ちゃん、高1の1学期早々に優良物件を見つけましたね。

が、家族に紹介した際に、妹の葵だけは反応が悪く…。


の一連の話では、妹さんの使い方が良かったですね。

古閑への敵意を剥き出しにしているのか、それとも好意をひた隠しにしているのか、
それが分からないところがスリリングで読んでいて楽しかった。

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実の姉妹で一人の男を取り合う⁉ 外見も中身も主人公・新奈の完全敗北かな(笑)

そして葵の心境としては、ある意味で後者でしたね。
人が人に意地悪する際には その裏に愛情がある、それが本書の鉄則かもしれない。

読者に誤解させるミスリーディングも上手い。

姉にも古閑にも冷たい葵の態度は どちらに転ぶのか分からない。
もし本当に、葵と古閑が恋に落ちたりしたら、どちらが恋愛の主導権を取るかで
ずっと頭脳バトルを繰り広げそうな気がする。

『2巻』前半の葵編では、古閑君の意地悪が誰に向いているか分からないところが面白い。


もしかしたら冷徹そうで人に興味無さそうな人ほど優しいのも本書の基本パターンかな。

ただ その条件に合う古閑と同じ特進クラスの女子生徒
千堂 馨子(せんどう かおるこ)は、見たまんまの人でしたね。

序盤から出ているし、キャラも立っているので、
彼女が交際を認めてくれたら、ライバルでありながら理解者という絶妙な立ち位置になったのに。

後半に 黒髪が似たような別の女性キャラが出てきちゃって、
すっかり馨子の影が薄くなってしまって残念。

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「お試し」期間中に女性との契約と解約を繰り返す、世紀の大悪党の誕生か⁉

そういえば少女漫画では散見されるヒーローが とても賢く、
ヒロインは成績が微妙という典型的な構図。

本書でも ご多分に漏れず、特進クラスの古閑と アホの子・新奈という格差がある。

ただ本書の場合、というか新奈の場合、アホ過ぎて、彼女が入れる高校のレベルが知れる。

いくら「特進クラス」という成績上位10%ぐらいのエリート集団を作っても、
それは井の中の蛙なのではないか、と古閑の頭の良い設定すら疑わしくなってしまう。

そして この手の女性を矮小化するような描写は、
女性の意識に悪影響を及ぼすのでは、とまで考えてしまう。


っぱり古閑君の「S」は先回りのSだと思ったのは、
新奈が1回入ってみたかったお店が予想外に高価なメニューで困った時に古閑が機転を利かせる場面。

新奈が気まずい思いをしないように、彼女が反省する前に、
「あのさ ここもいいけど 今日は外で食べたくならない? 天気いいし」
と、新奈に提案して、焼きたてパンを買って河川敷に並んで座るのだった。

こうやって 意地悪 < 好きなところ が大きくなって、そして飼い慣らされていくのだろう…。

飴と鞭の使い分けが本当に上手い人である。
ただ、その飴が他の人には出せない甘い味をしている。

古閑君は分かりやすく何かの一番ではない。
学校で一番格好いいという称号も、モテるという評判もない。
(あっ、入学時の学力が一番だったか… 汗 )

そして通常は清く正しい交際が良いですね。

『2巻』だけでもキスしたって おかしくない状況が何回もあった。
でも、古閑君はそれをしない。

ドキドキを長続きさせる術を知っている。

それは「お試し」にも通じること。
「お試し」を長続きさせ、いつまでもこの関係に名称を付けたくない。
そういう意地悪を古閑君はずっとしている。

それに気づかない新奈の うろたえる(可愛い)様子が古閑君が手にする甘い飴なのだ。
結局、意地悪には変わりはないのだけど…。


新奈の言葉は直接的だから、時に古閑君の心を悩ませている(本人は気づいていないが)。

説明不足のまま言葉にしちゃうか、秘密にしようとして秘密に出来ないから、
古閑君はあれこれと先回りして考えてしまう(お弁当の件とか)

古閑君も自分と同じように恋に悩み、嫉妬し、
そして この関係をできるだけ存続させたいと思っていることを彼女はまだ知らない。

ちゃんと言葉にして言ってくれなきゃ分からないから。
彼女は絶対に先回りをしないから。
アホの子だから…(笑)

ココロ・ボタン (2) (フラワーコミックス)

ココロ・ボタン (2) (フラワーコミックス)