《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

主に少女漫画と小説の感想ブログです

先生! 6巻 読書中の読者さん、脈拍・血圧・脳波 ともに何の変化もありません。

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青木 琴美(あおき ことみ)
僕は妹に恋をする(ぼくはいもうとにこいをする)
第06巻評価:★☆(3点)
  総合評価:★★(4点)
 

友華から郁とキスしてる写真を取り戻した頼は、郁の元へ。ところが、発熱でダウンしてしまう。急に帰ってきた頼、必死に看病する郁の姿に母親は疑惑の目を向ける。そして、友華にふたりの関係を親に話すと脅された郁は…!?

簡潔完結感想文

  • 友華の脅迫を強制終了させた頼。だが友華は頼の弁慶の泣き所を的確に狙う。
  • 頼が一時帰宅。だが久々の再会・団らん中、雨に打たれた頼が高熱でダウン。
  • 頼に婚約者候補が登場。そのことに一番動揺したのは郁ではなく母だった…。

を もう一匹増やしてページ稼ぎしてるんじゃないデスか? の6巻。

約200ページ中で7巻以降の巻を読むために必要な情報は、

・同級生・友華(ともか)の脅迫相手が頼(より)から郁(いく)に切り替わったこと
・父親が かつての同級生と再会し、
 子供同士を婚約させようと提案したら母親が必要以上に拒否をしたこと

の2つ。合計でも20ページほどしかない。

本書のマスコットにするつもりなのか、『6巻』からは犬が もう一匹登場。
犬だけで20ページ消費している気がする。

コスプレさせてみたり、じゃれさせてみたり、大幅にページを稼ぐことに一役買っています。


頭のお話。
頼が何も連絡せずに実家に帰ってきた。

これは友華の脅迫事件が一段落して、郁に会いたいという想いが募ったからでしょうか。
そして珍しく弱っている頼、好きな人を(に)病気を看病する(される)というシチュエーションが描きたかったのか。

兄妹間に怪しい雰囲気があることを察し始めているのは、彼らの母親。
久しぶりに兄妹が一部屋で過ごす夜、中から聞こえる声に過剰反応して、ノックもせずに扉を開ける。
この前後も何回かノックをせずに扉を開ける母です。

自分の気持ちをコントロールする前に過剰反応してしまうのは母娘の似たところか。

自分の夫が、かつての同級生と再会し、子供同士を婚約させようという酒飲み話が出たと告げられた時も、
内心の動揺が表に出てしまい、要らぬことまで口走っていた。
(もっとも鈍感な夫や娘は気が付かず、娘の交際相手(仮)の矢野(やの)だけが何かを察しただけ)

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自分の動揺が表に出てしまう母。そんなところまで郁とそっくりの親子ですね。

これは娘の郁が過剰反応する前で、娘が墓穴を掘る前に、
母の方が大きなリアクションをしてくれて助かった面もある。

何か後ろめたいことがある時こそ、焦って過剰な反応・言い訳をしてしまうもの。
母は何を隠しているのでしょうか…。


れが明白な脅しでも、言葉に詰まるのは、そこに真実がある場合。

兄妹間のキス写真を激写して、それをもとに好きな相手の身体を自由にもてあそぼうとした友華。
だが、その相手の頼は有無を言わさずパソコンを初期化してデータを消して去った。

ここのところの頼は冷静なようで、実は大雑把な対応しかしていないですね。
寮での生活態度や、この友華への仕打ちといい、もう少しスマートに対処していれば次の問題を防げたかもしれない。

頼に脅迫が通じないと悟った友華は、次のターゲットに郁を選出する。
頼が自分のものにならないのなら、2人の関係を壊そうと、郁に、親にバラすと脅迫を開始。
そして急に真実を言い当てられ、頭の回転も悪い郁は友華の脅迫内容を沈黙で認めてしまう。

ここではダブルスパイ・矢野くんがアドバイザーとして活躍。
恋と友情の狭間で苦しむ矢野くん。
『6巻』ではスーパーセレブの生活の一部が垣間見られます。

男女の寮長同士のスピンオフ漫画よりも、矢野くんの全てが見られる漫画が読みたい。


野の推理は、頼と郁に血の繋がりがないというもの。
頼にとっては この上ない吉報であり、そして展開としては凡庸である。

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愛する兄弟モノのお約束の展開。でも この2人の場合、もうやることやってるし…。

ただ、たとえ終盤にそうだと明かされても、カタルシスはない。
この2人の場合、たとえ兄妹であってもいいと、早々に肉体関係を結んでいるからだ。

この前提が使い古された展開とは一線を画すもので、
オリジナリティともいうべく要素なので、今後の展開で帳消しにしないで欲しい。


そういえば初めて性行為をしようと思っていても、邪魔が入ってなかなか出来ない、
というのは少女漫画では あるある展開だが、
本書の場合は、使い方間違ってますが「セカンドバージン」がなかなか奪えないというのが お約束の展開か。

もちろん、2人が逢瀬を重ねること=性行為目的ではないが、
読者としては、その展開も期待している。
作者もそれを分かった上で、ホテルや寮、父母のいる自宅など、
色々とシチュエーションを変えて、その予感だけを匂わせている。

完読した後、今度は匂いに誤魔化されずに、冷静に読み返すと内容のなさに愕然とする。
爆発的に売れたけれど、一生 傍に置いておきたい本では なさそうです。