《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

主に少女漫画と小説の感想ブログです

少女漫画 彼女の自宅で家族と対面の際、粗相で服を着替える率80%、入浴率60%。

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八田 鮎子(はった あゆこ)
オオカミ少女と黒王子(おおかみしょうじょとくろおうじ)
第13巻評価:★★★(6点)
  総合評価:★★★(6点)
 

エリカのパパが佐田くんを家に招いた! お付き合いをしているふたりにとっては避けられない行事。緊張しながらもそつなくエリカの両親と話が弾む佐田くん。ホっとしたエリカだったが、エリカパパがお酒に酔って佐田くんに絡み始めてしまった! せっかく和やかな雰囲気だったのに…。果たしてエリカのパパは佐田くんを彼氏として認めてくれるのだろうか!? その他にも健と三ちゃんが修学旅行で急接近しちゃったり、エリカの誕生日を佐田くんがコーディネートしてくれたりとボリューミーな内容となっています♪
【収録作品】オオカミ少女と黒王子 番外編/オオカミ少女と白王子

簡潔完結感想文

  • 修学旅行編完結。さんちゃん と健が良い雰囲気になると横から神谷がなぜか参戦。恋の大三角。
  • エリカ父から家に招かれた恭也。白王子対応の恭也に対し、酔った父の方が我慢の限界を迎え…。
  • 番外編。中学時代からの恭也と健の友情の歴史。白王子誕生の裏には健の助言があったとは!

称「ボリューミーな内容」は質より量ということと同義の 13巻。

あらすじ(↑)に「ボリューミーな内容」と自慢げに書いてますが、どこが? と首をかしげる
確かに巻末の番外編を含めて、短編が5つ入っている。でも、ただそれだけ。
5つも入ってるよ、ボリューミーだよ、ということなのだろうか。
褒めるところが 収録数しかないのだろうか…。

巻をまたいだ『11巻』のW嫉妬騒動があって、幸せが高値安定のエリカと恭也(きょうや)にはトラブルが起きない。

そんな平常運転時には『サザエさん』化するのが本書の特徴の一つ。
恋愛要素は二の次で、様々なシチュエーションでのエリカと恭也のカップルを楽しむ内容となっています。


頭は『12巻』から引き続き修学旅行回のお話。
ちょっとずつ匂わせていたエリカの親友・さんちゃん と 恭也の親友・健(たける)の微妙な恋模様から。

さんちゃんは エリカと恭也に気を遣ってホテルを散策していると、健に遭遇。
同じ男子校の友人たちから冷やかされたこともあり さんちゃんを意識し始めた健は「好きだ」言うが…。

本来位は学校が別々の2人が、修学旅行先と宿泊先が同じため、いつも以上に同じ時間を過ごすことに。
そんな良い雰囲気を醸し出す2人の間に なぜか神谷(かみや)が参戦。
彼もまた さんちゃんのことが好きだというから大変…!

ギャグマンガとしては最高のオチですね。
神谷らしい思考回路で笑ってしまう。
ただ巻をまたいで、そしてこれまで伏線回収かと思いきや、そのオチかよ!とツッコまずにはいられない。


編目は、恭也、エリカの家にご挨拶に行く の巻。

これは『11巻』で高熱を出したエリカを看病している際に、
恭也が寝入ってしまって、帰宅したエリカの父親と初対面したことに端を発している。

親に対しては久々に白王子モード全開で多少気疲れした様子の恭也。
だが、それ以上に身を引き裂かれる思いをしていたのはエリカの父親で、
我慢していた思いが、酔った勢いで溢れ出してしまい…。

タイトルにも書きましたが、少女漫画では彼氏が彼女の家族と飲食をすると必ず服が濡れる、というのが お約束ですね。
連載を初めて持った作家さんの作品に多い気がします。
何なんでしょうね。
緊張からの失敗というエピソードだからネタが被るのか、
彼氏が服を脱ぐ・入浴するなどのサービスカット目的なのか。

その原因となったのはエリカ父の酒癖の悪さ。
母いわく「酔ったら少し感情的になる人」らしい。
『11巻』で小遣いをせびるエリカに母が鬼のように怒っていた「多くない収入」の一因は酒癖だったりして…。

父も父なりに緊張していて、お酒が変なところに入ってしまったのだろう。

もしかして、その血はエリカにも受け継がれてたりして。
20歳になったら飲ませてみたい。
「だいたい恭也くんは、口だけなんだよねぇ」
「何か月も私に手を出さないからゲイかと思ったね。ゲラゲラゲラ」
と、恭也が唖然とするような毒を振りまいて欲しい。

あと、ずっと思ってましたが、エリカ母ってエリカより可愛いよね…。
絵からは ちっとも年齢を感じないし(エリカの姉妹にしか見えない)。
性格的にはエリカに似ているし、恭也は この方と禁断の恋に落ちてもいいのではないか。

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『11巻』のエリカ高熱の回でも思いましたが、エリカの微笑みって ビックリするほど可愛くないですよね(笑)

もう一つ、両親と対面する少女漫画のあるあるとしては、
対面した漫画のカップルの成婚率が高いことでしょう。

そして例に漏れず、恭也(と作者)は結婚を視野に入れているようですね。

『10巻』で将来に悩むエリカに対して、
「(将来やりたいことが)何もなかったときには俺がもらってやる」
と、間接的なプロポーズをしていた恭也。

そして今回も、
「(エリカの父親から娘を)やらないって言われても そこはしっかり奪ってやるから安心しろ」
と、これまた駆け落ち覚悟のプロポーズをしている。

恭也はロマンチストですね。
まだ手も出していないというのに…。

以前の、デートやイベントごと が嫌いな恭也は、とことん「非モテ思考」だとエリカに指摘されてましたが、
真剣な交際相手は初めてなのに拙速に結婚を念頭に置く、という
今度は違う意味で非モテ思考ならではの飛躍した考えを持っている様子。

もし、エリカにフラれでもしたら、
恭也もまた本書の他の男のように、逆ギレしそうで怖い。
だって、まだ交際相手1人だけ なんだもん。頭でっかち なんだもん。

そんな恭也、エリカの父から「エリカのこと どうして気に入ってくれたの?」と、
読者も知りたいことを聞かれてましたが、
「理由はきっとあるんでしょうが 言葉にできません」と答えるだけ。

いやいや、そこが本書最大の謎で空白だから。
恭也の側の心の推移が不明だから、ご都合主義の空疎な感じが生まれてるんだよーー、と強く嘆いてしまう。


編目は、エリカの誕生日。

「恭也くんの考えたプランで誕生日デートをプレゼントしてほしい」というエリカのお願いを聞いて、
「素敵な1日になると確約されている」はずの1日の顛末をギャグで包み込んだ一品。

恭也のプランは出ばなからくじかれ、変更を余儀なくされる。
行く先々でトラブルに巻き込まれ、ヘトヘトになって、最後は疲れ果てる。

ギャグマンガとして話にオチがつくわけですが、
良い雰囲気になりかけた時に、素直に帰ってしまうなんて、
なんだか2人とも、仏(ほとけ)化していますよね。

プラン通りにいかないことに恭也が苛立ったり、
エリカが機嫌を悪くしないところが2人の仲の深化として描かれている。

が、仏となった2人は あらゆる欲望も喪失してしまっている。
一度は その夜はエリカと宿泊を決めた恭也なのに、誕生日という記念日にも コトを起こさず、すごすごと歩いて帰る恭也。
かつては親を騙して恭也と一泊旅行に出かけるようなエリカも、親からの電話で帰路につく。

どうしたんだ、君たち⁉
2人とも覚悟は決めたし、何度も挑戦して未遂に終わっているというのに…。

もしかして、その前の お話で親に会って「健全なお付き合い」をしている、
と宣言したことが2人の行動を縛っているのか。
あの一泊旅行から3か月は経っているよね。交際からは1年以上。
口だけ ドSの素人童貞(神谷・談)はこれだから困るぜ。


オオカミ少女と黒王子 番外編」…
中学時代、男子生徒からは目を付けられ、女子生徒からは逆恨みを買っていた恭也に健は手を伸ばし続ける…。

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中学生の恭也と健。恭也には男女とも自分にグイグイと話しかけてくれる人が良いのかも。

恭也と健の中学時代からの 馴れ初め(?)。
白王子誕生の裏には健のアドバイスがあったのですね。

白王子モードという処世術を身につける前には、こんな時代もあったんですね。
ってことは、白王子歴はエリカに出会うまでの数か月しかないのか⁉

これまで人を殴ったり、頭突きしたり、踏んづけたりしてきた恭也ですが、
中学生時代には殴られたりしてたんですね。痛みは知っているのね。
そしてフッた女性たちからは逆恨みをされてイジメみたいな陰湿な嫌がらせまで受けている。

恭也にとってエリカと同じように、健が どれだけ彼の人生に大切な役割を果たしているかが分かる一編です。

「オオカミ少女と白王子」…
突然エリカの目の前に白王子モードしか搭載されていない恭也が現れてエリカは困惑する…。

言って欲しい言葉を全部言ってくれる恭也など恭也じゃありませんね。
気持ちが満たされないからこそ、次こそは、と ずっと一緒にいるのだろう。
そういう意味では、やっぱり恭也は優秀な調教師なのかも。
オチは予想通り。
ってか、本編でも同じオチの使いまわしで引き出しの少なさが露呈しています。
そして もはや恭也は本編でも ずっと白、または仏モードですけどね…。