《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

主に少女漫画と小説の感想ブログです

あたし が欲しかったのは 彼氏であって あなた個人ではない。あなたのことは それほど。

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高須賀 由枝(たかすか ゆえ)
グッドモーニング・コール
第4巻評価:★★★☆(7点)
  総合評価:★★★(6点)
 

なんだかアルバイトで超忙しい上原くん。ちょっぴりさびしい菜緒だけど、思わぬ事件がきっかけで、なんと130万円の借金を! 結局、菜緒はラーメン屋さんでアルバイトをすることになって…。

簡潔完結感想文

  • 夏休みの資金としてバイトを望む菜緒にバイトが飛び込んできた。130万円の借金と共に!
  • バイトと嘘が契機となり すれ違い始める2人。菜緒の悪い癖発動中。4巻の菜緒は散々です。
  • 夏休みへの計画を優先し勉強をおろそかにした結果、追試。困った菜緒を上原が助けるが…。

よいよ夏休み! その前に停滞するのは梅雨前線と期末テストの 4巻。

『3巻』が第三者の恋愛アンソロジーと化したのは、その時点では2人は付き合いたてだったからか大きな事件が起こせなかった。
けれど一拍おいたので、菜緒(なお)たちにも困難を設定してみようという作者の長期計画が見え隠れします。

ここにきて学業やら金銭問題やらシビアな問題も浮上します。
そして菜緒の甘さ・悪いところが前面に出ている巻でもある。
これまでのファンタジーから一転、作者から手厳しい展開を用意される菜緒でした…。


語も長期化してきて、ここらで一つ大事件を起こしてみようじゃないか、という感じで、
菜緒はバイト情報誌を歩き読みしていて赤信号に気づかず、バイクとの交通事故に巻き込まれる。

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赤信号を渡っていたらバイクが突然、直進してきたんです。足は折れてません。細長いだけです。

バイクの運転手と菜緒ともに怪我はなかったが、バイクが積んでいた荷物が破損してしまう。
そのバイクはラーメン屋の配達用バイクで、よりにもよって近所のお金持ち愛用の特注高級ドンブリが壊れた。
ラーメン屋の被害総額は130万円!
菜緒は、労働力をもって少しずつ返済していくことを決める。

ちなみに↑の絵のように細い手足ながら万年、太ったと悩む菜緒。厭味か!
女性=痩せたい という描写も20年前ならではの描写なんでしょうかね。
モデル業界でも痩せすぎていない人が採用されたり、
思春期のダイエットに警鐘が鳴らされたりしてますもんね。
まぁ2010年以降の漫画でも、夏の海回・水着回の前では体型を気にしてますかね。


いもよらない形で、菜緒のバイト編スタート。
夏休みに向けてお金を貯めようとしていた矢先、いきなり借金生活になりバイト三昧。

親の仕送りで悠々自適に暮らしていたのに、急に借金130万円をこしらえた菜緒。
しかも上原(うえはら)との同居生活を守るため親に泣きつくことが禁じられているから、言われるがまま こき使われる。

不本意なラーメン屋バイトは、バイト姿が格好悪いという理由から上原には言い出せない。
上原からバイトのことを聞かれ、咄嗟に駅前のオシャレなカフェでしていると嘘をつく菜緒。
親と同居する田舎や嫌だとか、ラーメン屋の格好が嫌だという、偏見&見栄っ張りの菜緒の悪い面が出ています。
ただ嘘に嘘を重ねてしまうのは少女漫画的には王道の展開ですね。
たとえ罪のないものであっても嘘をつくことで、いつしか すれ違い始める2人だった…。

そして王道の展開と言えば、主人公に近づく異性の存在。
ラーメン屋の息子は20歳の一星(いっせい)。
どうやら菜緒を好きになっちゃったみたいだ。
『3巻』の美容師・浅川さんでは見られなかった展開が見られそう。
いやいや始めたバイトも長期的に続けるようだし、関わり合いが楽しみです。

一星は何と久保高生。
普通科・英文科に加えて通信制もやっている久保高。
2年ほどグレていた一星は今、久保高の通信制に通っているらしい。

何でしょう、この設定…。
別に、久保高生じゃないと恋愛の資格がないわけじゃないんだから、普通の20歳の家業を手伝う兄ちゃんで良かったのでは…?
この後、学校内で会うイベントが必要というなら分かるんですが(今のところ不明)。

そして大家のばーちゃん、良いキャラしてますよね。
何だかんだで金にがめつかったり、
老いらくの恋を楽しんでいたり。
上原の良き相談相手だったり、存在感のある人です。


方で、菜緒と上原は聞きたいことを聞かない関係。
いつも、そこからすれ違いが生じます。
初デートも上原の方からキャンセル。
初の旅行も上原の方からキャンセル。
どうも初めてのイベントは上手くいきませんね。
でも久々に菜緒が自発的に動いていて、すれ違いであっても菜緒と上原くんがカップルとしての様子が見られます。

『4巻』での菜緒の最大の目標は、恋人と同士の夏休みを楽しむ!というもの。
その為のバイトだし(結果的にラーメン屋と借金だけど)、ずっと夏休みの計画を夢想していた。

そんな浮かれている菜緒は、1学期の期末テスト1週間前でも上原の義姉で、友だちでもある百合(ゆり)にバーゲンに誘われて買い物を楽しむ。
全ては楽しい夏を過ごせるオシャレな服のために。
しかし『3巻』の買い物回としかいいようのない、中身のない(失礼)回で、
百合はバーゲンはかえって損をすると言っていたような気もするが…。

バイトと妄想と買い物、そしてダイエットに精を出して、
迎えた期末テストは30点以下の追試科目が少なくとも3教科。
しかも追試をパスしないと夏休みは補習で埋まる。

そんなピンチに陥ってしまったので、
高校受験の勉強すら漫画で2ページに満たないぐらい菜緒が、今回はかなり勉強しています。
そして憧れの好きな男の子から勉強を教わるシーンも入ってます。
しかし上原もよく菜緒を嫌いにならなかったね。
上原が浮気するのは性格的にないだろうけど、地に足がついている上原が、
菜緒のちゃらんぽらんな幻滅して別れるという選択肢は現実的にありそうだ。


かし、万難を排した夏休みの旅行を上原がドタキャン(旅行2日目からの参加)。
それによって上原と言い争いに発展。
しかも、この機に上原は溜まっていた鬱憤を吐き出してしまい…。

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交際以来、初めての大きなケンカ。過去をほじくり返し、相手の嫌な点をぶつけてしまう。

『3巻』の感想で菜緒の方こそ愛情が薄いように見えると書いてけど、
まんま同じことを上原が言っていて、私は超能力者かな、と思いましたよ。
まぁ作者の巧みな誘導だったんでしょうけど。

どうも菜緒は自分のことばかりなんですよね。
言われないと立場を変えて考えるとか出来ない子。
まぁ、この視野の狭さこそ、少女漫画のヒロインの持ち味なんですけど。

夏休みの計画もそう。
恋人と遊ぶことをステータスとしているので、
旅行の計画が何を意味するのかを言われないと分からない。

旅行こそ目的で、内容はどうでもいいのだ。
男女が一泊することについて深く考えもせず、一足飛びに結果だけ欲しくて上原を誘った。
友達からの助言によって、一泊旅行が何を意味するのかを悟って、
怖くなって上原に無断で周囲の人に声をかけまくって安全を確保する卑怯者なのです。

欲の薄い上原だって何だかんだで期待していた部分もあるはず。
友人に固まってムード作りを相談したんだぞ!

今回の菜緒はバイトといい、旅行といい相談せずに結果だけを上原に報告している。
菜緒にとっては上原自身も恋人という結果なのかもしれない。

菜緒は恋人としては大きな要求をしない。
スキンシップが足りないとか、物をくれないとか、デートが少ないとか、
ワガママを言わずに、ただただ一緒に暮らしてくれる。

でもそれって上原本人には、さして興味がないからでもあるのではないか。
少なくとも彼氏本人に思われた時点で「愛情が薄い」のは確かだろう。

喧嘩のあとで「(上原を)不安にさせちゃってたのかな…」というヒロイン的なセリフを吐いていますが、
不安というよりも苛立ちとか疑心暗鬼でしょうね。


そんな修羅場を経て、始まった旅行。
海を想定していたはずの行き先は、いつの間にかに温泉地に。
しかし伏線なんだろうけど、仲居さんが進んで旅館の幽霊話をするのはイカンでしょ。
評判下げてどうすんだ。

そして旅行初日は久々に顔を合わせない1日だった訳ですね。
いつも一番近くにいる人がいない一日。
怒ったら口をきいてくれない上原にとっては、良い冷却期間だったのではないでしょうか。

そして気になるところで終わっている。
『5巻』で起こるらしい旅先での2人の一夜はどうなるのか…⁉

高校での友達では北浦さんが一番出番が多いですね。
最初に友だちになった広子さん、扱いが雑過ぎません?