《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

主に少女漫画と小説の感想ブログです

「奇跡の一枚」が きっかけで 彼がメディア進出。ゆくゆくはゴチ出演⁉

f:id:best_lilium222:20200509114514j:plain
桃森 ミヨシ(とうもり みよし)
ハツカレ
第4巻評価:★★★☆(7点)
  総合評価:★★★☆(7点)
 

イブシが撮影したハシモトくんの写真が1位になり、コンビニのポスターに使いたいという話が!! チロの気持ちを考え断ろうとする2人。でも、チロの後押しで2人は話を受けることに…。

簡潔完結感想文

  • 朝のホームにイブシが復活。避けることは止めたけど、秘したままのイブシ。
  • 遊園地での写真撮影という名のダブルデート。親友はイブシに想いを告げて…。
  • チロ本人も忘れたまま過ぎていた誕生日。男の子たちからのプレゼントは…?


本書で初めて恋が破れる4巻。

今更ながら本書の構図は面白いですよね。

例えばイブシが主人公だったら、片想い中のイブシに付け入る隙を与えなくてはいけないので、交際しているチロとハシモトの仲が不安定だったり、ライバルのハシモトに嫌な面を作るだろう。
そうすることでイブシに望みが出来て、読者も一歩ずつ進んでいるイブシに肩入れする。

けれど本書の場合、主人公がチロであることで、誰も嫌な面や嫌な感情を表すことのない片想いを描くことが出来ている。
主役はあくまでチロ。だからイブシには悪いけれど、順調な交際の裏の、本当に望みのない片想いが成立している。
それはそんなイブシの好きな人が自分の親友と知りつつも、彼に恋するちゃこちゃんも同じ。

だが、そんな似た者同士の片想い組だけれど、今回ちゃこちゃんが動く。
一方でイブシは自分の気持ちを相手に伝えることすら望まないまま…。


ハシモトがコンビニチェーンのキャンペーンポスターに選ばれることが決定した。
チロのために断ることを念頭に置いていたハシモトだが、チロは
「ハシモトくんを好きなんは変わらんから そのほかのことは 変わっても関係ないかなって」
とハシモトの挑戦の背中を押す姿勢を見せる。

チロはこうやってしっかりとした自分を持っているところに好感が持てますよね。
自分の不安ばかりで悩まない。恋愛を前向きに考えられる人なので作品に良い空気が流れます。
そして少し天然ではありますが、男の子を喜ばす才能があります。
こういう素直な言葉でハシモトとの仲が順調になったことは数え切れません。
出会った時よりもっと好きになる、という交際後に頻出する言葉がこれほど当てはまる人もいません。
そういう説得力が何気ない言葉に隠されているのが本書の良さです。


けれどチロとハシモトの関係性が強固になればなるほど、チロが胸を張って交際をしていればいるほど、イブシは辛い。
チロはイブシを傷つけてるなんて露ほど思ってないだろうけれど。
そしてそんなイブシの心情を察せてしまうちゃこちゃんも辛い表情を見せる。
ハシモトもまた複雑。彼氏としては嬉しいが、イブシの恋情も知っているのだから。

互いのワガママを許すことでカメラの撮影者とモデルとなったイブシとハシモト。
イブシはハシモトに密着することにする。
その少し前からイブシのせいでチロは朝の駅でもハシモトと二人きりになれない。
ハシモトに密着しているようで、チロとハシモトを密着させないという恋の鞘当てですね。
イブシが一時の遠慮が無くなってます。


そして写真撮影という名目の、実質、遊園地ダブルデートが決行される。
意外にもハシモトは絶叫系苦手みたいです(もしくはその遊園地のジェットコースターへのトラウマ)。

その撮影の最中でちゃこちゃんはイブシに告白する。
ちゃこちゃんもまた辛いですね。
彼に好きな人がいることも、彼の好きな人が誰かも知りながらも想いを告げる。
ちゃこちゃんは相談するのも慰められるのも、本当は一番羨ましい立場のチロなのに、そんなことおくびにもださない。
愛されるチロに対して唇をかみしめたり、手をきつく握りしめたりする場面がないのはチロへの信頼度の高さの表れですかね。

やはり彼のハツカノにはなれなくて、彼女のハツコイは終わった。

f:id:best_lilium222:20200526233202p:plain
初めての4人並んでの写真撮影
いつも悪態ばかりついているイブシだが、誠実な気持ちには誠実な対応をして、好きな人がいると正直に話している。
それが彼女にも出来ればいいのにねぇ…、と残念に思う。
そこがまたイブシの良い所ですが。
ファン投票したらハシモトの倍は得票数があるんじゃないかな。

ちゃこちゃんは失恋してしまったけど、名前で呼んでくれるようになったイブシ。
あぁ、またイブシファンが増えます。


そんな遊園地デートの前後はチロの誕生日だと判明。
チロ自身も忘れていたが、ハシモトは彼女の誕生日を知らない、聞かれたことがないことが判明。
確かにこれは、チロにそれほど興味がないように思われても仕方がないですね。

カップルの初めての誕生日をスルーするというのも少女漫画には珍しいですね。
通常はデートやプレゼントなど一大イベントとして扱われるのに、こうやって外した形で使われるなんて。

一方でイブシはチロの誕生日を知っていた。
これは幼稚園の誕生会の催しから覚えていたからですかね。
なんという記憶力、なんという10年以上の片想い。
だが、その恥ずかしさを誤魔化すために、ハシモトから聞いたととっさの嘘をついてやり過ごすが、チロたちにはそれがあり得ないことと分かってしまう。


そしてハシモトはハシモトでイブシの口からチロの誕生日を初めて知って焦りと反省に苛まれる。

f:id:best_lilium222:20200526232453p:plain
ハシモトからのプレゼントは…。
そんなハシモトから誕生日祝いにしてほしいことを聞かれ「好きにしていいよ ハシモトくんの」と返答するチロ。
これはハシモトくん暴走してしまう前振りかと思いきや、彼はキスすらも望まない。
「ぎゅ ぎゅってするとか どうですか…」
健全過ぎて涙が出ます…。おめでとう。