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天国の本屋 恋火 (小学館文庫)

天国の本屋 恋火 (小学館文庫)

ある日突然、ピアニスト健太は謎のアロハシャツ男ヤマキに声をかけられ、天国の本屋に短期バイトとして連れてこられた。そこで彼は、ある女性ピアニストに出会う。一方、飴屋の娘香夏子は商店街復興のため、花火大会開催に向け奔走していた。そこで彼女は「その花火を見ればふたりの恋は成就する」という伝説の花火師に出会う。天国と現世。ふたつのストーリーが同時進行するなか、花火大会当日、ついにある“奇跡”が訪れる―。竹内結子主演映画話題のベストセラー原作、待望の文庫化。奇跡のラブストーリーを彩るカラーイラストも多数掲載。


その花火を見た二人は恋が成就するという「恋する花火=恋火」を巡る物語。現世での恋愛の始まり物語かと思いきや、実は恋愛の終結の物語でもある。すれ違ったままもう二度と会えなくなってしまったかつての恋人たちの、解けることのないはずの誤解や届かないはずの想い・願いを、現世と天国、それぞれ男女の奔走によって伝える、という内容。作中に登場するすれ違いで死を迎える物語『椿姫』の延長線上ともいえる。天国という場所が存在するからこそ、現世と天国にいる2人を救える構成は天国の本屋」シリーズの掉尾を飾る物語に相応しいと思った(12年に新作が出た!)。さて、かつての恋人の架け橋になった男女2人。きちんとした結末(または始まり)は書かれていないが、作者のホームページにある年表を見ると、××するみたい。安直という気もしないが。でも、運命の人に絶対出会えるのなら、一度ぐらい天国に短期派遣されるのも良いなぁ…。今から朗読の練習しようかな…(笑)
今回は最初からリストラされたものの適職に就いている主人公だからか、適職探しの要素は無い。あっ、でも「職業」について考える物語ではある。しかし、このシリーズ、恋人には巡り会えるし、仕事への情熱を取り戻すし、自分だけの役割・存在価値までも見出すなんて徹底的に自己肯定の本だなぁ、と意地の悪い私は思ったりする…。凹んで自己肯定してもらいたい時に最適の本ではあります。
シリーズも3冊目になると作者もヤマキも説明が面倒臭いらしい(笑) 確かに最初に「天国のルール」を別枠に書いておくのも良いかも。本屋の常連客には分かりきってる事だし、初めての人にはルール書きがあると便利かもしれない。
天国の本屋」シリーズには毎回、挿絵が入ってるのですが、今回は物語に合っていなかった挿絵が多かったように思う。また絵が場面に合っていても載せるタイミング・ページがおかしかったように思う。本の構成上の問題なのかもしれないが、どうにも間が悪い。そんな間の取り方じゃ、アヅマとナカタに怒られるよっ!

天国の本屋 恋火てんごくのほんや こいび   読了日:2006年12月22日