- 作者: 我孫子武丸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1996/04
- メディア: 文庫
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上記の通りこの1ヶ月漫画ばかり読んでいた私ですが、ここ数年、小説や漫画を気軽に読めないという悩みも抱えている。これは私の生来の貧乏性とも深く関係があると思うのだけれど、書物全般に拘りを持ってからというもの、どんな書物に対しても一言一句読み逃さない読書をしよう、という気合いだけが空回りしている。この拘泥は読書速度を遅くするだけでなく、作品の全体を見渡す視点も奪っているような気がしてならない。
そんな読書法を続けていたら私の中で読書速度の自動制御装置が構築されてしまった。この自動制御装置が厄介で、作品の面白さに我を忘れて文字を追い続けていても「文字を追う速度が速すぎる」と認識された瞬間に、ハッと我を我に返らせ読書速度に制御をかけてしまうのだ。どうやら私の中で「忘我」の境地に入る読書は読書として認められておらず、飽くまでも「自我」を保った状態でするものという認識があるらしい。「忘我」の境地に突入させてくれる作品こそ最高の作品と私は考えているのに…(続く↓)。