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クドリャフカの順番 (角川文庫)

クドリャフカの順番 (角川文庫)

待望の文化祭が始まった。だが折木奉太郎が所属する古典部で大問題が発生。手違いで文集「氷菓」を作りすぎたのだ。部員が頭を抱えるそのとき、学内では奇妙な連続盗難事件が起きていた。盗まれたものは碁石、タロットカード、水鉄砲―。この事件を解決して古典部知名度を上げよう!目指すは文集の完売だ!!盛り上がる仲間たちに後押しされて、奉太郎は事件の謎に挑むはめに…。大人気“古典部”シリーズ第3弾。


面白かった、とても。文化祭独特の学校全体に広がる熱気は感じられて、私自身の高校の文化祭の空気を思い出した。読んだのがちょうど秋だったので、これまたピッタシ。涼しいと寒いの中間辺りの季節で暗くなるまで教室にいたあの頃を懐かしくさせてくれた。ただ私の問題は事件の解決部分。私の読み方が悪い事は重々承知しているんですが、分かりにくいよっ!全ての種明かしとして最後にあの場面を持ってくることは当然ですが、もうちょっと丁寧に説明がある構成でもいいんじゃない?確かにふられている番号を見たり、時間の表記を見たりすれば当然分かるんですが、ただ、やっぱり不親切じゃない…?これまで古典部4人の視点が変わっても時系列に物語が進んでいたのに、そこだけアレでは分かりにくいよ。いえいえ、私の読み方がいけないんです。ハイ。
同じく解決部分で言えば動機の弱さもちょっと「私、気になります」。謎はとても面白いんです。文化祭で起こる謎の連続盗難事件。全部が1つになって「おぉ、そうか」と感嘆もする。しかし謎解きの全てが論理的かというと、ちょっと違う。特に強い印象を残すアノ人がなぜ、あんな行動がとれるのか、という根拠がない。 犯人が犯行を行った動機は分かる。さすが「ほろ苦青春ミステリ」らしい感情の動き。ただ、その動機からの行動が、あの方法だとは思えないのだ。非常に婉曲で労力に見合わない方法だ。ってホータローみたいな発言ですね…。犯人がそうするしかなかった、というのも分かるけれど、ちょっと動機としては弱い。全てが収斂されたカタルシスよりも回りくどさへの違和感の方が強く残ってしまった印象が残る。
今回は古典部メンバー4人の視点で物語が進みます。それぞれの心情が語られているのは面白いのですが、4倍長くなっている事も確か。それぞれに見せ場がある反面、謎が出現するのも展開するのも遅め。エピソード全部が必要不可欠といえばそうなんですけどね…。妙に長かったり、説明くさかったりすると思える箇所も後になって意味を持つのですが、こんな事を大仰にする事でもなかろうと冷めた視線で見てしまった。やだね、私も年を取ったもんだよ…。青春カムバーック!!

クドリャフカの順番クドリャフカのじゅんばん   読了日:2005年09月27日