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デッドエンドの思い出 (文春文庫)

デッドエンドの思い出 (文春文庫)

「幸せってどういう感じなの?」婚約者に手ひどく裏切られた私は、子供のころ虐待を受けたと騒がれ、今は「袋小路」という飲食店で雇われ店長をしている西山君に、ふと、尋ねた……(表題作)。つらくて、どれほど切なくても、幸せはふいに訪れる。かけがえのない祝福の瞬間を鮮やかに描き、心の中の宝物を蘇らせてくれる珠玉の短篇集。


5つの短編集。それぞれ長かったり短かったりですが、これからいなくなる人への切ない思い、過去に去っていった人など喪失感を持っています。私が好きなのは「幽霊の家」「おかあさーん!」「幽霊の家」は似たような環境に育った二人が当然のように惹かれていくゆったりとした空気が心地よく、「おかあさーん!」では何気ない日常がふとしたことから狂ってしまった歯車を通してそこにあるものの大切さに気づいていく過程が好きです。著者は何度も泣いたとあとがきに書いていましたが、私はそこまで感情移入できるタイプではないので割とさらっと読みました。しかしどの作品も空気感は物語の中にいて心地いいものです。

デッドエンドの思い出たいとる   読了日:2004年04月24日