《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

少女漫画と小説の感想ブログです

PAY DAY!!! (新潮文庫)

PAY DAY!!! (新潮文庫)

ペイ・デイ、給料日。それは、何があろうと、ほんのちょっとだけ、みんなが幸せになれる日―。双子の兄と妹は高校生。ちょっと不器用、でも誠実に生きている二人に訪れる、新しい出会い。別れ。恋。家族の問題。そして、大切な人の死…。新たな青春小説の古典の誕生!ゆったりと美しいアメリカ南部を舞台に、たくさんの生といくつかの死が織り成されていく、堂々たる長編小説。


冒頭部〜中盤にかけてまではアメリカの設定というのがネックになってうまく入りこめなかったです。双子の兄妹ハーモニーとロビンの名前すら一致しなかった。ハーモニーが男って(本名じゃないけど…)とにかく誰が誰なのかカタカナ名に弱い私はそれを理解するので一苦労。青春&恋愛小説特有の独りよがりのウジウジとした考えにも負けそうになりました。けれどもあの9.11が襲い、悲しみの中に生きることになった家族がそれぞれにみせる優しさ・思いやりが描かれるごと文章が心に沁みてきました。思いやる家族に訪れるそれぞれのPAY DAYに読後感は爽やか。気がつけばオジサンも好きになっていた。

PAY DAY!!!   読了日:2003年12月29日