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別冊宝島「森 絵都の本」 (別冊宝島 (1065))

別冊宝島「森 絵都の本」 (別冊宝島 (1065))

『永遠の出口』の森絵都が、いま、新しい扉を開いた! 日本のYA界を牽引する作家・森絵都の魅力がまるごと詰まった一冊。あさのあつことの対談<厳しい読者 10代に敢えて向き合う作家の思いとは> 森絵都書き下ろしイラスト&エッセイ、幻の短編「ウエルカムの小部屋」改稿版、全作品ガイド<森絵都の本の世界>、三森多惠子によるマンガ「宇宙のみなしご」などを収録。


森絵都さんが直木賞を受賞する前に出版されたファンムック。企画に先見の明があったこの本は今後その存在価値がどんどん上がるのではないだろうか。
冒頭は森絵都さん書き下ろしのイラストエッセイ。森絵都さん、文章は上手いのにイラストの方は…(笑) 続いて、『バッテリー』あさのあつこさんとの対談。これも時代を一歩先いく企画。児童文学の両横綱の対談といった感じ。
初めて知った事実が一つ。森絵都さんの愛犬・スウは犬猫の保護ボランティアから引き取った経緯があるのだ。そういえば直木賞受賞作の『風に舞いあがるビニールシート』の一編には犬猫の保護ボランティアに従事する女性の話があったが、この辺りの事情からきているのかもしれない。大学2部(夜間)の短編といい『風に舞いあがる〜』は森絵都さんの経験が多く入ってる作品なんだなぁ。作品的には思い入れは少ない方だが、そういう経緯を知ると森絵都さんの集大成という意味合いが出て、その作品で直木賞を受賞されたのはファンとしては嬉しい。
この本を通して分かったのは、森絵都は仕事や作品に対してとても真摯であるという事と、常に挑戦し続けているという事。作中の一文だけでも心が震える文章は、推敲に推敲を重ね、これぞ!という文章を模索し続ける姿勢からもたらされるのだという事が分かった。森絵都の一文には足元から込み上げる感動がある。森絵都さんと一緒に仕事をした編集者の言葉、読者の質問に丁寧に答える森絵都さん、そして何より作品自体がその姿勢の表れである。
最後はマンガ版『宇宙のみなしご』。マンガ用にストーリーが多少変えられている。そんな事よりも、私が気になって仕方がないことは、キオスクは右手を骨折したと言っているのに(骨折した本人の口からも!)、漫画は左手を骨折してる怪現象…。明らかにミスでしょ。漫画家本人か誰か気づかなかったのだろうか。

森絵都の本  森絵都への7つの扉もりえとのほん   もりえとへのななつのとびら   読了日:2007年01月09日