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モラルはどこだ?

花の下にて春死なむ (講談社文庫)

花の下にて春死なむ (講談社文庫)

感想は コチラ に。
三軒茶屋のビアバーを舞台にした短編集。その中の「家族写真」という短編は、地下鉄駅構内の「善意の本棚」の話題から物語が始まる。人の繋がり、温かさを感じられる良い短編。だが、今、その「善意の本棚」の存続が危ぶまれている…(下記リンク)。
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20070115bk13.htm
『利用者のモラルによって成り立つ施設は、もはや時代に合わないのかも知れない』、とは何とも悲しい言葉。この「メトロ文庫」が開設された88年からの20年弱で日本人の心に一体どんな変化が起こったというのだ。日本人の美徳がなくなった現在の日本には、もう日本人はいないのかも…。全員がフランス人アメリカ人ドイツ人だったりして。欧米かっ! と冗談はともかく、このまま日本はモラルの低下が当たり前の自己中心的な社会になってしまうのだろうか。もしかしたら、数十年後、早ければ数年後に↑の短編を読んだ日本人は、この短編の始まりを理解出来ないかもしれない。日本人のモラルはどこだ?
もう一つ考えられるのは「格差社会」か。本を持ち出して転売する人が多くなったとか…。