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翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫)

翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫)

首なし死体、密室、蘇る死者、見立て殺人……。京都近郊に建つヨーロッパ中世の古城と見粉うばかりの館・蒼鴉城を「私」が訪れた時、惨劇はすでに始まっていた。2人の名探偵の火花散る対決の行方は。そして迎える壮絶な結末。島田荘司綾辻行人法月綸太郎、三氏の圧倒的賛辞を受けた著者のデビュー作。


探偵の「メルカトル鮎」という名前が気に入った私は、「衝撃的な結末」など私を魅了する言葉に期待が膨らんだのですが、読んでみればなるほど「あらすじ」にある三氏(島田・綾辻・法月)が絶賛が身内受けという言葉に変換されていく。本格のための新本格?ってな感じです。ちょっとバカミス入っているんじゃないの?と私は思うのですが。物は解釈。べた褒めされる場合もあるのですね。物語も堅苦しくて読みにくい。私はご存知の通りバカですから一作目であるこの本を読む前から全作品揃えてしまったのです。2年経った今でも2作目には手が伸びません。今は本棚で埃をかぶっています。どうしてくれよう、メルカトル。メルカトルという名前に興味を惹かれたのですが作中にも由来はないですし。謎の男で、失望の元凶。
私の読んだノベルス版のあとがきは(新)本格特有のダイナミズムあふれる推理小説の潮流などを書き連ねています。もう少し読み手のみになって書いてほしいものです。そういう論文は自分で本を出してネ、と思います。

翼ある闇つばさあるやみ   読了日:2002年08月23日