- 作者: 舞城王太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/09/06
- メディア: 新書
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傑作。破壊せよ!生成せよ!舞城王太郎!体内の札束……ミステリ史上最悪の見立て殺人……。いまもっとも危険な“小説”がここにある!あの連続主婦殴打生き埋め事件と三角蔵密室はささやかな序章に過ぎなかった!「おめえら全員これからどんどん酷い目に遭うんやぞ!」模倣犯(コピーキャット)/運命の少女(ファム・ファタル)/そして待ち受ける圧倒的救済(カタルシス)……。奈津川家きっての価値なし男(WASTE)にして三文ミステリ作家、奈津川三郎がまっしぐらにダイブする新たな地獄。
前作『煙か土か食い物』は奈津川家四兄弟の四男・四郎が主人公でしたけれど、今回は三男でミステリ作家・三郎が主人公。ダメダメな三郎と、その友人で名探偵のルンババ12を中心に、前作の後日談や、その事件が原因で新たな事件が起こる、という展開をみせております。 相変わらずの電波飛び交う話で、謎を謎とも思わない急展開な解決法は好きなのですが、理解不能のモノまである困った作品。最後の結末は、多くの人が本を壁に投げつけたらしい、というような問題の展開。これにはちょっと着いていけなかった。またも事件の背景に見え隠れする二郎の影。奈津川家の面々は、それぞれに二郎に対して恐れにも似た感情を持っているのですね。やい、出て来い二郎!お前が主人公の作品を読んでみたいぞ!
問題児(もう児ではないか?)ばかりの凶暴・奈津川家ですが四郎も三郎も読み終えると好きになっていく不思議なシリーズです。四郎→三郎と主人公が移ってきたので、次回は遂に噂の二郎の話かなと思ったのですが、残念ながら次の作品は「ルンババ12」がメインのお話。ルンババも好きだからいいけど、早く二郎が主人公の話が読みたい!作風がどんどん変化していく舞城さんですが、雰囲気このままでお願いします。