- 作者: 二階堂黎人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1996/11
- メディア: 文庫
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二階堂黎人さんの作品、読了2冊目。本書の解説を書いている大森望さんによると『二階堂黎人はかなり冗談好きの作家』らしい。ただ、二階堂黎人さんと著作が(私にとって)厄介なのは、作者が一体どこまで「冗談だと思って」書いているのかが分からない、という点である(もちろん私の読解力不足もあるが)。確かに本書には「悪い冗談」としか思えない箇所がいくつかある。だが、その箇所はもしかしたら作者が心底、驚きを狙って書いたのかもしれないという疑念も常に同じくらい残るから厄介。前出の大森さんによると『(本書は)ギャグとシリアスのあいだでぎりぎりの綱渡りを演じ』ているらしいが、その境界線である「綱」を発見できない私には迷走しているようにしか見えなかったりする…。