《漫画》宇宙へポーイ!《小説》

少女漫画と小説の感想ブログです

深呼吸の必要。

沖縄映画はいいけれど。

スローテンポながらも、その分じんわり物語に入り込めて良かった。
ストーリーは分かりやすい。問題を抱えた男女がさとうきびを刈るという仕事や
そこで起こるハプニングを通して交流を深め、己を見つめ直していくというものだ。
人間ドラマ・青春ドラマであり、有体に言えば「癒し」の映画だろう(安っぽくなるが…)。
ちょっと出来すぎている人物の配置とストーリーに辟易する場面も。
構図のシンプルさは単純に楽しめるという事でもあるが、
そのための人物設定や配置なんだ、と冷めるのも事実。人為的過ぎる。
しかしラストシーンは意外性に富んでいて良かった。一瞬目を疑ったけど…。
何度も見てしまった。登場人物たちが別方向を向いているってのがミソ。
ドッと感情がこみ上げるわけではないが、後になっても、ずっと余韻に浸れる。
簡単に泣かすことも出来るのに、泣かせないぞ、って所がひねくれ者の私に合う。
(A型気質はどこに?とか言わないように。 言うのはひねくれ者の私だけか…。)
監督は大好きな山崎まさよし主演でおなじみ「月とキャベツ」の篠原哲雄監督。
映像がとにかくキレイだ。沖縄の風景がそのままでもキレイという話もあるが、
それ以上に丁寧に撮っていると感じた。全てのカットにこだわりを感じる。


沖縄って、やっぱり外の人から見れば特別に見えるんだろうけど、
邦画の舞台の多くが沖縄って現象が起こりそうで怖い。「最後の楽園」スタンスで。
「癒し」や「再生」が沖縄にはある、という幻想も同時に起こりそう。
泣ける本=良質な本ってのと同じ構図。泣きゃーいいと思ってるでしょ。
と、ひねくれ者は思ったりするわけです。うーん、皮肉っぽくて嫌だな〜全く。