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西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも…。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。


梨木作品、2冊目の読了。1冊目『家守綺譚』が素晴らしかったこともあり、梨木さんの文章は一文一文大切にじっくりと読むことにした。でなくても構成の巧みさによって、じっくり読まされる作品である。この作品は冒頭、いやタイトルから魔女の死が分かっている。まいの回想によって、誰が魔女で、いかにこの魔女が素敵な人であったかを段々と読者が理解を重ねるたびに、どんどん全てがいとおしくなる。この構成が、魔女とまいの1ヶ月の生活をキラキラとかけがえのないモノにする。一つ一つの言葉が大切で、一つ一つがもう戻らないもの。魔女が言う、良い言葉に会うたびに本を閉じ、ため息が一つ。 そしてラスト。本書のラストは本当に素晴らしい。予想は付いていたけれど、胸からこみ上げるものがあった。なんて素敵な魔法を使う魔女なのだろうか!まいの扱いにくい性格が引き起こした結果ではあるが、それが見事に救われている。いい本を読んだ、と深く思う。
この作品は、私の単純な頭の中ではジブリ作品のようだと思った。特に、おばあちゃん。ジブリ作品に出てくるの魔女が浮かんできた。しかし魔女といっても、魔法を使うわけではない。自然と調和して生きていくだけ。魔女修行は人間のリズムである。正しいリズムを刻んで、精神力を高める。ここら辺は児童書っぽいかな、と思いますが、私は正しいリズムを刻めていなくて精神力もない…、と反省。
その後の物語「渡りの一日」は全てが出来すぎている話だけれども、こんな一日があったらな、と思わされる作品。非常にコミカルで楽しい。

西の魔女が死んだにしのまじょがしんだ   読了日:2006年01月30日