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たいのおかしら (集英社文庫)

たいのおかしら (集英社文庫)

虫歯治療用の笑気ガスがもたらした、とんでもない幻想。朝から晩まで台所の床に寝そべり続けて、親を泣かせた中学生時代。はじめて明かされる、たよりなく取り柄もないが憎めない男・父ヒロシの半生…。日常のなかで出会うトホホな出来事や懐かしい思い出がつまった、爆笑エッセイ。ある生理現象について、真摯な議論が交わされる、三谷幸喜さんとの巻末お楽しみ対談つき。


エッセイ第3弾。今回のエッセイは外国巡りや、有名人に会うなどの大事件は起きない。それよりも現在・過去・家族の、より日常的な話題が多い。だから今までのエッセイ3作の中で、一番誰もが共感できる内容になっているだろう。ただ、あまりに日常過ぎるので刺激という点では不足を感じる危険がある。例えば、「消えたドーナツ」の回などは、そのままドーナツが消えたという事件を書いただけの作品である。結局消えたドーナツがドーナッたのかという、オチもない。えっ!? ただの報告? とその結末にトホホという感じだ。エッセイも3冊目になると爆笑ネタも減ってくるのかもしれない。これ以上、濃度が薄くならないか心配である。
それにしても、さくらももこエッセイの前に必ず付く枕詞はナゼ「爆笑」なのだろう。どうもこれが読者(私)のハードル上げているような気がするのだが…。
実は、私はさくらももこさんを好きになりきれない。というのも、どうしても自分勝手な性格としか思えない所があるのだ。それが「まる子」の愛すべきキャラクターなのだろうが、「おとし玉」でセキセイインコを飼うのを楽しみにしながらも、「怠け者の日々」を送ったために死なせてしまったりする(同じセキセイインコではないかもしれないが)。しみじみ感傷的な反面、ひどく無責任な二面性が掴めない。
今回の文庫版巻末お楽しみ対談のお相手は「三谷幸喜」さん。今回の対談はとても面白かった。というのも、さくらさんが私と同じで、三谷夫妻の私生活(?)について興味津々だから。三谷幸喜さんとその妻「小林聡美」さんは、個人としても、もちろん魅力的な方々だが、夫妻というユニットになるとその魅力、その謎が倍増する不思議な夫婦である。小林聡美さんは自ら進んで夫妻の話をしたがらない人(だと思う)。だから、攻めるなら三谷だ(笑) 彼が家に帰ってから怒られたとしても喋らせてしまったら勝ちである。今回のさくらさんは自分の事だけを喋りすぎず、相手(夫妻)への質問を連発している。偉い。だが、三谷夫妻、謎のままだ(笑)

たいのおかしら   読了日:2006年11月03日