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イン・ザ・プール (文春文庫)

イン・ザ・プール (文春文庫)

「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。プール依存症、陰茎強直症、妄想癖…訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。こいつは利口か、馬鹿か?名医か、ヤブ医者か。


ついこの間、この作品の「続編」直木賞を受賞した奥田英朗さんの精神科医・伊良部シリーズの第1弾。しかし直木賞の選考基準って何なんでしょう。こんなハチャメチャな展開が受けるのか…?面白いけれど、常識に縛られた分別くさい私にとっては、このトンデモ精神科医伊良部の性格・行動がいまいち好きになれなかった…。むしろ嫌いな部類の人です。短編形式なので一編ずつ感想を書きます。

  • イン・ザ・プール」…表題作。ストレスで神経をやられた男が、伊良部に運動を薦められる。彼は水泳を選ぶが、その後‥結果的にストレスは解消される。伊良部式・治療法の紹介とでもいうべき作品。やっぱり伊良部ちょっと怖い。
  • 「勃ちっ放し」…男のアレが勃ちっ放し、という話。バカバカしいからこそ面白い。そういう状態になった男はこういう行動をとるんだ、と。なんと伊良部はバツイチらしい(それ以上かもしれないが)。伊良部式治療法はまたしても正解。
  • 「コンパニオン」…ストーカー被害を訴えるコンパニオンの話。だんだん話が精神科らしくなってくる(もしくは私がリズムにのったのか)。思えばこの作品は現代社会のやめる精神を表している高尚な作品ではないか?とまで思えてくる。
  • 「フレンズ」…ケータイを通じて友達と連絡をとる高校生の話。早い話がケータイ依存症。中学生・高校生の背伸びしたい心理みたいがよく表れてると思います。意思を持っている人のほうがかっこいい。現実にいそうで怖い話。
  • 「いてもたっても」…強迫神経症のライターの話。まさに精神科の話。今回は伊良部はあまり役に立っていませんが、余り悩むな、という点では共通してます。どこまでを自分の責任にするのかというのは難しいですね。

イン・ザ・プール   読了日:2003年10月09日