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のはなし にぶんのいち~イヌの巻~ (宝島社文庫 C い 6-1)

のはなし にぶんのいち~イヌの巻~ (宝島社文庫 C い 6-1)

のはなし にぶんのいち~キジの巻~ (宝島社文庫 C い 6-2)

のはなし にぶんのいち~キジの巻~ (宝島社文庫 C い 6-2)

2007年10月に刊行された書籍『のはなし』の、「あそこが痒い」の話から「つらい仕事」の話まで全42話を収録。どこから読んでも大丈夫。あなた好みにお使いください。伊集院光、撮りおろしの「ヘンなもの写真」新たに収録。

ベストセラー待望の文庫化! 2007年10月に刊行された書籍『のはなし』の、「ディスカウント」の話から「ん?」の話まで全40話を収録。
どこから読んでも大丈夫。あなた好みにお使いください。伊集院光、撮りおろしの「ヘンなもの写真」新たに収録。


「のはなし」の話
本書「のはなし」は、タレントの伊集院光さんが携帯電話会社のメールマガジンとして1回400文字以上で週3回のルールの下、5年間発表し続けたエッセイ(約750回分)の中から編集者が選定した82話分をまとめた本である。更にこのエッセイは毎回、メールマガジン読者から7文字以内のテーマを募集して、決定したテーマにまつわる伊集院さんのエピソードを書いているのが特徴。
伊集院光さんのラジオを愛聴して10年強。伊集院さんのフリートークが耳に馴染んでいる私としては、読書中、伊集院さんの声が聞こえてくるような文章だった。更に言えば、書かれているエピソードの8割強は聞いた事があった。なので初読というよりは私の記憶を再確認する再読に近い読書体験でした。ただ、だからと言ってフリートークをそのまま文章に書き起こしている訳ではない。各所に伊集院さんのエッセイならではの表現方法があったり、ラジオでは話していない側面・新事実を知ったり、と私は私なりの楽しみ方が出来た。どの話も初めての読者には内容もさる事ながら、伊集院さんの融通の利かない、でも正直な生き方がよく分かるはず。いつまでもただのデブとは思わせません。
メールマガジンが配信されていたのは1年前までの事だが、エッセイの内容は古今東西、時間と場所を越えて多岐に亘る。読者のお題に沿ってエッセイを一本書いているのだけど、人生経験が豊富じゃないとここまで書けない。しかもこれはほんの一部であと600回以上のエピソードがあるのだ。例えば、私なぞが本書と同じテーマ順でエッセイを書いても、こうはいかない。ここまで質の高い話は出来ない。それに最初のテーマが「あそこが痒い」の話、だし…。嫌だよ(笑) どうしても羞恥心が勝っちゃう。っていうか、痒くないし。痒かった事も…。
私が好きなのは伊集院さんのお父さん関連の話。「父親への反抗」の話では、お父さんの不器用で優しい一面がよく分かる。伊集院さんもこういう性格がしっかり受け継がれているように思う。伊集院さんが尊敬する大人では師匠(三遊亭楽太郎さん)の話も好き。そういえばお父さんも楽太郎さんも理路整然とした性格が似ているなぁ。もちろん、かみさんの話も大好き。理想の夫婦とはまた少し違う夫婦関係かもしれないが、伊集院さんにとってかみさん・美佳さんの存在は大きいと思う。まさに<very special thanks>である。あぁ、この表記だけでもホロっとくるなぁ。「構成の渡辺くん」や各マネージャーの名前も嬉しい。 気づいたのは本書の中での伊集院さんの体重変化が激しい事。自己申告の体重が110〜140kgぐらい。一体この5年の連載中、合計で何百kg体重が上下してるんだろうか…。
単純計算ではこのメルマガ、まだ約650回分も残っている。1冊が80話余ならば後8冊は出る可能性がある。伊集院さんの性格からして各回のコラムの質がそう異なるとは考えられないので、これは続編が期待できるのではないでしょうか。

のはなし   読了日:2007年11月17日