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ペルシャ猫の謎 (講談社文庫)

ペルシャ猫の謎 (講談社文庫)

ミステリ史上屈指の禁じ手!?が炸裂する表題作、「ペルシャ猫の謎」、名バイプレイヤー・森下刑事が主役となって名推理を披露する「赤い帽子」他、傑作ミステリ6編&ボーナス・トラックとして「猫と雨と助教授と」を収録。臨床犯罪学者・火村英生とミステリ作家・有栖川有栖の名コンビは、さらに華麗に加速する!


火村シリーズの短編集第4弾。有栖川さんの短編集は直球勝負の作品が多い気がしていたけれども、今回は変化球が多いと思う。発表媒体がTV番組であったり警察の社内報であったりするからかもしれない。ただ、この変化球がストライクゾーンを外れてる印象です。なにもそんな無理な投げ方をしなくても、肩壊すよって言ってあげたくなる。その中では「赤い帽子」の森下刑事の活躍はよかった。こういう変化球ならもっと投げて下さい。担当編集者の片桐さん視点とかで。

  • 切り裂きジャックを待ちながら」…誘拐されたと思われていた舞台女優が、本番直前に死体となって現れた…切り裂きジャックがモチーフ。火村先生の推理ってどうも決定打に欠ける、押しが弱いと思う。犯人が誰でもそんなに驚けない。
  • 「わらう月」…アリバイの証拠となる写真を持つ女性。彼女の証言には齟齬は無いように思われるが…今回は月がモチーフ。ワンアイデア物ですね。作中のアリスの「月光」がつく著書。学生・作家はいわんや、著者本人も関連してるの?
  • 「暗号を撒く男」…結婚したいと嘆く男が自宅で殺された。家には小物がやたらに置かれている。犯人当てでもトリック当てでもなく純粋な推理。北村薫さんの「円紫さん」シリーズのような作品。でも人が殺されなくてもいい気がする。
  • 「赤い帽子」…赤い帽子を被って大阪の街を散策していた男が、翌日、死体となって発見された。森下恵一刑事が主役。警察の社内報(?)に載った警察小説。森下くんの思考が一部でも分かって嬉しい一作。「砂の器」のパロディトリック?
  • 「悲劇的」…社会の不条理を嘆く学生のレポートが火村が書いた18文字によって小説に変わった!?上手い事言ってるつもりなんだろうか…?むしろ寒いぞ。森博嗣犀川先生の方が100倍シニカルに答えると私は思う。
  • ペルシャ猫の謎」…自宅で犯人に襲われて昏睡する前に見た犯人の顔、それは双子の弟だった、と言う。あらすじの通り屈指の禁じ手とは思わないけど肩透かし感はありますね。もっと証拠を並べるとか、伏線があるとか欲しかった。
  • 「猫と雨と助教授と」…5ページの小品。火村先生の下宿先のお話。婆ちゃんと猫が三匹。火村先生は猫には(アリスにも?)愛情があるってお話ですね。

ペルシャ猫の謎ペルシャねこのなぞ   読了日:2001年11月20日