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メビウスの殺人 (講談社文庫)

メビウスの殺人 (講談社文庫)

容疑者リストつき異色の新本格推理。冒頭で明かされた容疑者たちのなかからあなたは真犯人を突きとめられますか? 物語の冒頭に置かれた<作者からの注意>に、驚くべきことに、奇妙極まりない殺人劇の容疑者たち4人のリストが公開されている!この大胆かつ破天荒な作者の挑戦に、果してあなたは犯人を突きとめられるか?ご存知、速水警部補と推理マニアの弟と妹が活躍する、異色の傑作長編推理。


残念ながら速水兄弟の現時点での最終作。今回も面白かった。最初に犯人が明示されている倒叙ミステリと呼ばれるジャンルだが、謎はまだ残っている。犯人の犯行の動機や犯行の関連はとても興味深い謎として残っているので、楽しく読める。結末は アクロバティックな推理と展開ではあるけれども十分楽しめた作品。
この作品は、15年ほど前なのにパソコン通信を扱っていて、今でもありえる話かも、と思わせる作品。やっぱりいい作品は朽ちないのですね。ただ生まれたときからブロードバンドのネットが普及してた人がどう読むかは謎ですが。チェスがやっとなんて!と読まないのかも。ただこういうゲーム感覚は蔓延していくでしょうが。 ラストは好きです。最終作としていい終わり方だと思います。残忍な事件がどこかコミカルに終わる。それがこのシリーズの救いで、最大のよいポイントでしょう。

メビウスの殺人メビウスのさつじん   読了日:2002年02月10日