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8の殺人 (講談社文庫)

8の殺人 (講談社文庫)

"8の字形の屋敷"ゆえに案出された、不可解極まる連続殺人。速水警部補と推理マニアの彼の弟&妹の3人組が挑戦するが、真相は二転三転また逆転。鬼才島田荘司氏に"本格ミステリー宣言"を書かしめた、二人目の大型新人の本格的にして異色、かつ絶妙のユーモアで味付けした傑作長編推理デビュー作。


タイトル通り8の字の館で起きる殺人。変わった「館シリーズ」だと思いますけど。 結末の犯人の動機はよく分からなかったですが、論理的には好きです。キャラクタもいいです。恭三・慎二、妹のいちお。見ての通り、3・2・1と数字が入っているのは、親が生まれる前から3兄弟を想定してたから。すばらしい家族計画だ。けれど末っ子は女の子で、強引にいちを組み込んでみたもののいちおの心境はいかに。
閑話休題。本編は所々ミステリ談義が入っていて、作者のミステリに対する愛情が感じられます。語るのは次男の慎二。ミステリマニアという設定。ちなみに恭三は刑事、いちおは大学生です。新本格にありがちな論理重視のミステリですが、驚きもありますし、前述の通りキャラクタがいい。和やかに読めます。

8の殺人8のさつじん   読了日:2002年01月29日