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壬生義士伝 下 (文春文庫 あ 39-3)

壬生義士伝 下 (文春文庫 あ 39-3)

五稜郭に霧がたちこめる晩、若侍は参陣した。あってはならない“まさか”が起こった―義士・吉村の一生と、命に替えても守りたかった子供たちの物語が、関係者の“語り”で紡ぎだされる。吉村の真摯な一生に関わった人々の人生が見事に結実する壮大なクライマックス。第13回柴田錬三郎賞受賞の傑作長篇小説。


あぁこうなるのか…予想は外れた。もしかしたら、みたいな予感を抱かせる浅田さんの仕掛けだったのかも。最期は予想していたよりも壮絶でした。どのエピソードも吉村貫一郎という男の生き様を映していた。けれど、ちょっと冗長かも。一人の人物を多数の視点で描くという構成は面白いけれど、同じ話が続き小説が遅々として進まない印象を受けた。だからか予想してたよりも感動は少なかった。どこも淡々と読めてしまった。「泣かせ」の浅田さんのトラップを鈍感と言う武器(弱点?)でかわしてしまったのかも。けれど最後の一文はグッと胸を打った。これは決して全てが幸せな結末とは言えないけれども希望を残す結末。50年の時を経て彼の全ての願いが叶う。なんという壮大な物語だろう。思いを馳せれば果てしない。
これはどこまでが本当なんだろうか。吉村貫一郎は実在するのか、とか南部藩の描写も本当なのか。無知な私には分からない。この感じって歴史物や半ノンフィクションの小説でいつも思う。だから作家の想像力なのか引用なのか分からず上手な評価が出来ない。考えてみれば1年前には新撰組忠臣蔵赤穂浪士を混同していた私が、この小説の人物の立場を理解して読んでいるのは驚異です。NHK大河「新選組!」を1年間見続けた効果がこんな所に出ました。

壬生義士伝(下)みぶぎしでん   読了日:2004年12月22日